里谷多英さんはただ者ではなかった

女子のモーグル決勝が終わった。日本人4選手が決勝に進み、上村愛子さんが4位に入る好成績を残した。テレビを見る側としての勝手な感想だが、私は上村さんの滑りよりも、里谷多英さんの「賭け」に出た滑りの方に興味をもった。残念ながら途中で転倒し、成績は惨憺たるものだったが、もし、彼女が転倒しなければ、上村さんよりも上位に食い込んでいた可能性は否定できない。

オリンピックは4年に一度の競技。そこには日々の練習の成果を出すことはもちろんだが、勝つにしても負けるにしても、一か八かの賭けが感じられる気迫あるプレイがないと見ている方としてはおもしろくないし、気迫あるプレイ、紙一重のプレイを突破していけないとメダルは獲得できない次元にオリンピックはなってきたようだ。そうした意味でも、里谷さんの勝負をかけた滑りには感心した。マスコミには取りあげられることは少ないだろうが、あの豪快な負けっぷりこそオリンピック選手であることにふさわしいのではないだろうか。

*その後、いろいろなブログを見ていると、里谷さんの滑りに感動した、という方々が多いことに驚いた。テレビでは嘘はつけないようだ。オリンピックはメダルの問題だけでなく、いかなる感動を与えてくれたのかこそ問われるべきなのだろう。

by kurarc | 2010-02-15 14:55