パット・メセニー 『OFFRAMP』を聴く

最近CDを片っ端から処分している。1000枚近くあったCDは現在500枚程度になった。CDだけでなく、靴や服、本や筆記用具などすべての持ち物をどこまで切りつめることができるのかに挑戦している。そうしている内に、自分にとって捨てるに捨てきれないものがわかってくると思えるからである。(『捨てる技術』という本はまだ読んでいないが、そんなことが書いてあるのだろうか?)

パット・メセニーのCD(約30枚)は、きっと最後まで残ることになると思う。特にこの”OFFRANP ”は大学の頃からすでに30年以上も聴き続けているのに、ちっとも色あせることがない。パットが20代でつくったCDであるにもかかわらずである。音楽のクオリティは年齢とは無関係のようだ。

このCDを製作している頃(1981年)、パット(及びライル・メイズ)はブラジル音楽に近づいている。ブラジルのギタリスト、トニーニョ・オルタのCD(CD名『Toninho Horta』)にゲスト出演しているのもこの頃になる。CDのタイトル”OFFRANP"は、高速道路出口のランプの意味だが、何か自分のめざす音楽の方向性をつかんだことを象徴しているようなタイトルだ。

このCDの中のどの曲も好きなのだが、最近は「AU LAIT」(オーレ)という曲がお気に入りである。CDの中では最も地味な曲であるが、若い頃にはそんなに注目していなかったこの曲の良さがわかってきたのだろう。この曲のライル・メイズのピアノはすばらしい。フレーズの中に、私の好きなブラジルの作曲家ヴィラ=ロボスの曲らしきフレーズを忍び込ませている。

パットのギターシンセサイザーの音(特に「Are you going with me?」の曲)は、どこか管楽器の響きを感じる。彼が子供の頃に吹いていたトランペットのせいなのかどうかはわからないが、パットの影響を受け、彼のギターのようなフレーズを吹けるトランペッターが現れてもよさそうに思うのだが・・・
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by kurarc | 2010-09-09 20:25 | music