Archiscape


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by S.K.

自分の起源 1980年代

1980年代に付けたメモを整理している。そのメモを眺めると、世界旅行といえるような旅から帰国し、沖縄で1985年を過ごし、東京に戻ってきた1985年の暮れあたりから、ベルリンの壁が崩壊し、大学院を修了する1991年までが現在の自分のフレームをかたちづくっていることに改めて気づかされた。(この間に父とすぐ上の兄、祖父を失った経験もした。)

特に旅行から沖縄に戻った1985年から1986年の好奇心の密度には今更ながら驚かされる。この頃に読もうとした書籍などはすべて現在の興味と重なってくる。そう思うと自分の起源はこの頃の知的好奇心によっているということがよくわかる。

1985年のメモには読むべき書籍およそ200冊がメモされていた。世界旅行をしてあまりの無知に気づかされ、あわてて知識をつめこもうとしていた焦りが伺われる。そのすべてをいまだに読んだ訳ではないが、今でも読みたいものが数多くある。

この頃観た映画「エル・スール」や「シテール島への船出」など、映画の趣向も決定されたといってもよい。ルネッサンスにずっと興味をもつのも、世界旅行中にフィレンツェで観たレオナルド・ダ・ヴィンチのシルヴァー・ポイント(銀尖筆)による馬のデッサンに触発されたことが大きい。鉛筆で描くようなものと異なり、修正することが許されないデッサンでありながら、その完成度の高さは驚異的であり、天才の仕事を初めて生身で感じることができた。当然、帰国後レオナルドについては随分と文献を集めた。(それらの仕事は過去のものというより、同時代のものと感じられたことが大きかった。それは、ブルネッレスキの仕事についても同様である。ブルネッレスキはまさに「今、ここ」に存在する建築家である。)

50歳になったが、いくらもがいてもこの頃覚醒した感性からぬけだすことはできそうにない。20代の頃吸収した様々な世界を広く深く探求していくこと。それにつきるように思えてきた。
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by kurarc | 2011-02-04 10:22 | archi-works
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