原発震災

友人から石橋克彦氏(現在神戸大学名誉教授)の論文のpdfを送付してもらった。

石橋氏は地球科学者であり、専門は地震テクトニクスであるという。地震テクトニクスという分野は素人なのでよくわからないが、14年程まえから「原発震災」という概念を提唱し、地震災害と原発災害が同時に起こる最悪のシナリオを予言していた。

今回の地震はオホーツクプレートと太平洋プレートとの境界で発生したことは、すでに知られているが、素人の私が危惧するのは、長野での地震である。この地震はオホーツクプレートとアムールプレートとの境界で起こっていることが予想され、そのアムールプレートを南へ下っていくと東海、東南海、南海に連続している。石橋氏によれば、阪神淡路大震災から日本はまさに大地震期に入ったとのことで、それは今世紀半ばに起こるとされる東海、東南海、南海地震の発生により収束していくと予想されている。

素人ながら勝手に考えると、現在の地震は、東海、東南海、南海地震の前兆が現れていると考えてもおかしくない状況であり、この地震で中部電力浜岡原発が大事故になれば、神奈川や東京の人間は南西風によって運ばれる「死の灰」からの避難を余儀なくされることになるようだ。

石橋氏の主張の最も重要な点は、地震対策という次元ではもはや災害を回避することはできない、ということであり、都市の集中化の分散や根本的なエネルギー対策を施さなくてはならない等々ということにある。

石橋氏のような良識ある科学者らの意見をよく熟慮した上で、日本のエネルギー政策の抜本的変革を望みたいが、残念ながら、変革前に再び大地震がくる確率の方が数倍高そうだ。

by kurarc | 2011-04-03 16:15