アポロドロス  古代ローマの建築家

漫画テルマエロマエでも登場するというアポロドロスは、古代ローマでフォルムという列柱広場を設計したことで名高い。

アポロドロスは今内戦状態にあるダマスカスの出身。イスラム期にはイスラム建築の中心となった都市である。古代ローマに関する書物を読んだ限り、こうした現在のイタリア以外から技術者を呼び寄せて建築物の建設にあたらせることが多かったことがわかる。

つまり、今イタリアにある建築の設計は必ずしもイタリア人によるものではない、ということ。日本でいうお雇い外国人のように、優れた人間を集積できるだけの富が古代ローマにはあったわけだから、雇って設計させればよかった。イタリアの古代は今のギリシャや中東(トルコ、シリア、イラン、エジプトなど)の技術者たちが相当活躍していたことが想像される。古代ローマは有史上最も激しい混血文化、混血都市だったと言えるかもしれない。

イタリアにあるから純粋のイタリア人(そもそも純粋のイタリア人などいないのだが)の業績と判断するのは早合点であるし、地中海を取り囲む混血人種がイタリアをつくったとみるべきだろう。レオナルドなど、どう考えても普通のイタリア人とは思えないのである。

by kurarc | 2012-08-23 16:12 | architects