病院食の立ち遅れ

病院に入院したことがある方ならわかると思うが、入院中の楽しみの一つは食事である。しかし、おおよその病院食は立ち遅れている。その一つは、カロリー計算に基づいた食事を提供しているからである。

普通の人であれば、カロリー計算をきちんとやっているからよいではないか、と思うだろうが、たとえば、病院食では、ご飯が200グラムを超えるような量(200〜220g)提供される。その量はどんぶり一杯のご飯である。女性であれば、日常、どんぶり一杯のご飯を食べる人はいないと思われるが、そうした量が病人に普通に提供される。200gのご飯は336Kcalであり、その他のおかずでおよそ350Kcal、合計650〜700Kcal前後の食事が提供される。

健康食で評判となったタニタ食堂では、ご飯100gにすることを推奨している。これを見ただけでも、病院食は立ち遅れていることがわかるだろう。これには様々な理由が考えられる。ご飯を100gとした場合、おかずその他で600Kcalの食事を提供しなければならないこと。食費が一食300円程度に抑えられているため、おかずを多彩にするだけの余裕がないことetc.しかし、カロリーとしては700Kcalを必要とするという幻想(本当は必要ない人もいる)があり、必然的にご飯がどんぶり一杯となるのである。

これは、どうみても本末転倒なのである。つまり、カロリー計算による弊害の一事例と言えるだろう。

by kurarc | 2014-09-04 16:41 | gastronomy