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by S.K.

私淑

武蔵野美術大学で受講している島崎信先生の椅子の講義は、質の高い講義である。先生はすでに80も半ばというご高齢にもかかわらず、精力的な講義を聞かせていただいている。

講義自体ももちろん興味深いのだが、講義終了後、ムサビ内の食堂で有志とともにコーヒーブレイクも兼ねて雑談をしてくださる。講義に参加している25名ほどの中で、この雑談に参加するのは7〜8名であるが、この雑談の中で、先生の過去の体験など貴重なお話しを聞かせていただいている。

昨日、講義後の雑談の中で色々と興味深いお話を伺うことができたが、その一つ、デザイナーはデザインができるのは当たり前、そして、デザインは人と人との付き合いの中でできるものなのだから、そうしたデザインができなければならない、つまり、自分自身のデザインをしなさい、ということ。

そして、若いデザイナーにアドバイスした言葉に、「私淑しなさい」ということ。「私淑」とは、文学作家になりたいと思うのであれば、目標にすべき人物、例えば夏目漱石と定めたならば、その漱石の生涯をたどって、どうしてあのような偉大な作家になれたのか調べなさい、また、どのような挫折を味わったかについてまでも調べなさい、そして、その作家のようになることを30年後くらいに思い浮かべ努力しなさい、とのアドバイスをされていた。

わたしにはすでに時遅し、ということなのかもしれないが、逆にいうと、私淑できない人、何が目標かを定めることができないならば、その人はそれまでだ、ということだと思う。当たり前のことだが、目標を持ち、それに近づくべく努力するということはどのような分野の人間にも必要なことだということである。

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by kurarc | 2017-07-16 14:14
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