映画『海の上のピアニスト』 海の声を聴く

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映画『海の上のピアニスト』を観る。過去に一度観たような記憶もあるが、全く覚えていなかった。

この映画ではマックスというひとりのトランペッターの回想から始まる。彼は「コーン」と呼ばれる。これはトランペットのことに詳しい人でないとすぐに理解できないが、C.G.コーンという管楽器メーカーのトランペットを所有していたからである。わたしも以前所有していたメーカーであるが、肌に合わず、手放してしまった。

この映画は寓話だというが、ありえそうな話である。主人公「1900」は、1900年生まれ。船の上で生まれ、その後、船から降りたことがない。船の上でピアノをマスターし、伝説となったピアニスト、というストーリーである。

寓話をつくるのも、このくらい極端の方がおもしろいし、映画には都合がよい。「1900」は、一度陸に降りようとするが、とどまってしまう。それはなぜか・・・

そして、この映画の主題歌である音楽はどのように生み出されたかが、映画の中で描かれる。この映画の最も美しいシーンである。

「1900」の最期は悲しいが、この寓話であればこうでなくてはならない、と納得する。そして、トランペット好きには、たまらない映画であった。音楽を担当したモリコーネはトランペット専攻であったというから、コーンのトランペットは彼のアドヴァイスであったのかどうか?原作を読んでみなければならない。この主題歌「Lost boys calling」はフィリッパ・ジョルダーノの歌声でお気に入りだったが、今度トランペットで演奏したくなった。

*エンニオ・モリコーネは今年限りで引退を表明している。

by kurarc | 2018-12-24 21:45 | cinema