トランペット 水道蛇口奏法

月に2回ほどジャズトランペットのレッスンを受けている。ジャズ理論は難しいが、現在教えてくれているU先生は非常に教え方がうまく、わかりやすい。難解なジャズ理論が大分理解できるようになった。20歳の頃にも挑戦したことがあったが、その頃、渡辺貞夫著の『JAZZ STUDY』程度の本しかない状態であったから、素人には理解しずらかった。それに比べ、最近では英語の参考書のように教本を選択するのに苦労するほどである。

いくら理論を理解しても、トランペットの音がよくならなければどうしようもない。U先生は理論だけでなく、奏法についても丁寧に教えてくれる。わたしはタンギングをするときにお腹を知らない間によく動かしていた。タンギングするたびにお腹に力を入れるような奏法を行っていた。

U先生からは、そうではなく、お腹をなるべく動かすのではなく、はじめに息を入れ、くちびるを閉じ、水道から水が絶え間なく流れるように息を吐き出すようにすることを薦められた。タンギングはその息の流れをただ止めるだけ。つまり、息は絶えずくちびるから流れているような意識を持ち続けつつ、くちびるはその流れを止めたり、開いたりする機能だけ。

そのようにしているうちに、トランペットの中に軽やかな空気が流れるように感じられると、それに伴って、音もクリアになってくる。トランペットの中を風が通り抜けるように息が通るようになり、くちびるへの負担も減少し、軽々と吹くことができるようになる。

こうした状態を毎回キープできるようにすることが、これからの課題である。こうした奏法をひとまず「水道蛇口奏法」と名付けておこう。以前、トランペットの「ため息奏法」について書いたが、ため息奏法は力まずに息を入れる訓練にはよいが、クリアな音を出すにはこの「水道蛇口奏法」をマスターしなければならない。



by kurarc | 2019-06-13 21:57 | trumpet