大仕事

かつてない規模の実施設計がもうすぐ収束を迎える。本来ならば2名でやるべきではあったが、わたし一人でやり通した。

近隣説明+中高層審査から景観審査、福祉のまちづくり条例、省エネルギー検討など規模が大きくなると、実施設計図面を描くだけでなく、役所仕事が3倍、4倍に膨れ上がる。何度役所に通いつめたであろうか。

近隣の方々は良心的な方々ばかりであったので、非常に幸運であった。今回は周辺が住宅地であるので、この中で新築工事を行うことは神経を使う。改めて、建築を設計するという仕事の難しさを思い知らされる。

苦労する仕事の時には以前にも書いたように、ブルネッレスキという建築家の生き様を思い出す。現在、ガウディーに関する本を読んでいるが、彼も苦労人である。彼は31歳という若さであのサグラダ・ファミリア教会の仕事を得る。この仕事は、聖ヨセフ信仰教会という狂信的な超保守集団の仕事であった。この仕事を引き受けたのは相当の覚悟が必要だったはずである。

建築以外の仕事をしたことがないので、わたしは他の分野の方々がどのような苦労をしているのかわからない。それぞれの分野、それぞれの立場で様々な苦労があることだろう。それを一つづつ乗り越えた先に、今までに経験したことのないような素晴らしい仕事に巡り会えるかもしれない。それを期待しながらやり続けるしかない。

by kurarc | 2019-08-28 00:19 | archi-works