迎賓館見学

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迎賓館を見学した。多分、20年ぶりくらいだろうか。市ヶ谷から新宿までの散策していたが、見学者が目に入り、見学することに。

設計者は片山東熊。わたしのような世代にはもはや歴史的人物であり、リアリティーが持てない。建築自体はよく設計され、内部の装飾も優れている。わたしは「彩鸞の間(さいらんのま)」という、明治天皇が大正天皇のためにつくった部屋が最も興味深かった。ここは、昭和大修理のとき、建築家の村野藤吾さんが、天井の青い色彩を白く変えてしまったという。このあたり、今でも論議があるようだが、オリジナルの青に復元する方がよいのではと思う。

装飾は、様式建築(ネオ・バロック)の中に、アンピール様式を取り入れた部屋、いわば、ナポレオンの神話を取り込んだ部分に日本的モチーフが組み込まれていたりと非常に手が込んでいる。こうした装飾を引き立たせることもあると思うが、廊下部分は基本的に白一色に塗りつぶされている。この建築や装飾には詳しくはないので、また別の機会に触れたいが、もう一つ興味深いのは、この建築がカーネギー社の鉄骨をふんだんに使用されているということ。そうした部分は、隠れて見ることができない。我々のような建築を専門とするものは、そうしたところを見学したいのだが。

さらに、もう一つ気になったのは、前庭の松の植え方である。グリッド状に配列されているように見えながら、微妙にズラされ、ランダムに配列されているように見える。しかし、何か法則性がありそうである。この松の配置を決めたのは誰なのか気になる。そして、こうした植え方は日本的でないと思われるが、そこがよかった。

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by kurarc | 2020-01-04 18:28 | 建築活動記録