伊藤ゴロー 『ARCHITECT JOBIN』再び

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およそ8ヶ月ぶりに伊藤ゴローさんのCD『ARCHITECT JOBIM』を聴いた。

ジョビンのCDあるいは、ジョビン関連のCDは思い出したように聴きたくなる。仕事をしながら聴いているが、まったく仕事の邪魔になるような音楽ではない。この優しさはなんなのだろう。小沼純一さんは、ジョビンの音楽は「呼吸を楽にする」と形容しているそうで、確かにそう感じることが多い。

曲の選定がよい。映画『暗殺された家』で使われた「見捨てられた庭園」や、「住処の建築」(以上、曲名の日本語訳)など、ジョビンのファンでないと聴かないような曲が収録されている。収録曲のなかでは、「トゥー・カイツ」のアレンジがギターとよく調和している。

伊藤ゴローさんのアレンジはすばらしいが、残念なのはテンポが単調なアレンジが多かったことである。それがねらいであったのかもしれない。ゆったりとジョビンの曲を聴かせること、それもよいが、後半にもうひとつテンポの速いアレンジがほしかった。

ジョビンの曲について、楽譜を見ながら研究したいと思っている。また久しぶりに『エリック・サティと郊外』(オルネラ・ヴォルタ著、早美出版社)を読み直している。この二人は今もっとも関心のある音楽家かもしれない。

*ジョビンの曲を聴くと、リオ・デ・ジャネイロの旅が思い出される。植物園にブラジル木を見に行ったり、リオの山間をバスで通り抜けた風景が。山間のバス通り沿いにある滝で少女たちが滝に打たれている横を通り過ぎていったが、その光景は脳裏に焼き付いている。

by kurarc | 2020-02-06 22:28 | music(音楽)