You Tubeチャンネル 1人前食堂

コロナの影響もあり、You Tube上で様々な職業の方々が、チャンネルを持つようになった。その中でも、よく見るのは料理のチャンネルである。

著名なシェフのチャンネルから、素朴な料理のチャンネルまで様々である。わたしは美食にはまったく興味はないが、フランス料理のシェフによる簡単にできるフランス料理などのつくり方は見ていて興味深い。しかし、こうした方々は、概して、その味や各国の伝統料理にこだわっているあまり、カロリーや栄養バランスまで考えられていない場合が多い。

そうしたチャンネルの中でも、最近もっともよく見るのが「1人前食堂」というチャンネルである。一人の女性が様々な家庭料理レベルの料理を手際よくつくっては、レシピを公開している。短時間の中で、いくつもの料理を効率的に紹介する方法もよい。映像の編集がよくなされているのである。料理本も出版されるようで、何十万人というチャンネルの登録者数があるのもうなずける。

彼女のつくる料理が優れているのは、プロの料理人が忘れがちなバランスが考えられていることである。プロは美味しいことが第一で、そのフルコースを食べると2000キロカロリーを超えるようなものでも平気で提供してくる。それらは非日常の料理で毎日食べるものではないが、そうした料理を日々つくる習慣が、家庭料理の感覚を狂わし、バランスを無視したレシピでも気になっていないようである。

日々必要なものはバランスのとれた家庭料理である。檀一雄は、料理に造詣の深い作家であったが、美食には一切興味はなかった。わたしもそうしたスタンスの方が好きである。

by kurarc | 2020-11-09 08:28 | gastronomy(食・食文化)