アントワーヌ&ジャン=バティスト・フォルクレ バロックの音

子供の頃からお世話になっている英語の先生であるI先生から、40枚を超えるクラシックのCDが送られてきた。もう聴かないから、ということだが、先日、沖縄から送った「きっぱん」という銘菓のお返しのためだと思われる。「きっぱん」は、このCD以前にいただいたCDの御礼にと送付したのだが、いわゆる倍返しのようなかたちになってしまった。


モーツァルト、ベートーベン、ヘンデル、ハイドン他といったCDの中に、アントワーヌ&ジャン=バティスト・フォルクレの『ヴィオールと通奏低音のための曲集』(パオロ・パンドルフォ演奏)のCDが含まれていた。ヴィオラ・ダ・ガンバという楽器による演奏だが、フォルクレという作曲家の曲を恥ずかしながら初めて聴いた。普段、俗な音楽を聴いている身にとって、フォルクレの静寂でありながらリズミカルな曲は心地よく、心身を落ち着かせてくれる。


いわゆるバロック音楽だが、当時、ヴィオラ・ダ・ガンバ(フランス語でヴィオール)という楽器はヴァイオリンより高尚な楽器として認識されていたようで、ルイ14世など、食事中にこうした楽器で演奏された曲を楽しんだようである。また、日本では天正遣欧使節団がこの楽器を日本に紹介したようだが、その後のキリシタン弾圧により、バロック音楽同様、日本に普及することはなかったようだ。


フランス・バロック期においてフォルクレと共に活躍したもう一人の著名な作曲家マラン・マレは、アラン・コルノー監督の映画『めぐり逢う朝』で描かれているようで、明日にでも早速借りてきて観てみたいと思っている。コルノー監督は、アントニオ・タブッキ原作の『インド夜想曲』を撮影した監督である。ここで、またわたしのお気に入りの作家とつながることになる。そう、すべてつながっているのである。


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by kurarc | 2021-05-11 19:59 | music(音楽)