『仏教が好き!』 河合隼雄、中沢新一著を読む

鎌倉に住むようになり、なんとなく仏教が気になりはじめました。私はまったくの無宗教の人間ですが、この鎌倉の地でどのような仏教が展開していたのかを考えることは、宗教の問題というより文化の問題として興味深いことのように思われます。そういった考えもあり、最近話題となった『仏教が好き!』を読んでみました。
特に中沢新一さんの比較宗教的な思考、また哲学、民俗学、数学、物理学、経済学などを宗教と結びつけていくような思考方法のスタイルには感心しました。
仏教は、マガダ国という今で言う大国(帝国)の中から生まれてきた思想であるということ、すなわち現代のようなグローバリズムをその背景に持っていた思想であったということが、現代においてもアクチュアリティーを持つことにつながっているようです。
また、金沢文庫の称名寺が関東においてあの真言立川流の中心であったことなども初めて知りました。現在、どのように受け継がれているのか地元の問題として興味がでてきます。
中沢さんの量子論と曼荼羅を比較したりするようなスタイルは、どこかヴァルター・ベンヤミンのアレゴリカルな思考様式を思わせ、興味が尽きません。
最後に気になったのが、空海、そして井筒俊彦さんの業績です。まずはここらへんから仏教について学んでみようと思います。

by kurarc | 2006-07-25 00:16 | books