清家清設計  宮城教授の家(旧宮城音弥邸)見学

今日は、すでに解体が決定された清家清設計の宮城教授の家を見学した。解体が決定され、今日一日のみの見学のせいか、建築家の方々や学生(欧米の留学生など)でにぎわっていた。

まず中に入るとハブマイヤートラスに目が奪われた。この建築のデザインの中で最も重要なエレメントといえるトラスであるが、阪神大震災の後、清家さんの発案で、中央にスチールの丸柱を4本付加し、耐震性を強化していた。設計当初はもちろん柱もなく、ほぼワンルームの空間であったそうだ。
さらに、部屋に散在する渡辺力デザインの家具にも興味をもった。椅子や収納、引き出しなどそのどれもが丁寧なデザインが施され、老朽化はしているものの、現役で使用できるものばかりであった。
内部の改装が激しく、特にサッシ廻りはほとんど変えられていて、設計当初の開放的な空間は死んでしまっていた。ただ、そのような改変が進んでいても、建築のコンセプトが明快なだけに、建築のもつ力を充分に感じとれ、50年以上前に設計されたものという感じはしなかった。メーターモデュールによる伸びやかなスケール感と過激な架構の建築といったらよいだろうか?
50年代モダニズムの住宅建築を実際体験するのは初めてのことであり、やはり刺激的であった。私も新しいことに挑戦したくなってきた。
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by kurarc | 2007-05-17 23:30 | archi-works