ボンフィーリオのハーモニカ ヴィラ=ロボスのハーモニカ協奏曲

秋らしい季節になってきた。この季節になると恋しくなる音はハーモニカである。特に今日紹介すロバート・ボンフィーリオの演奏するハーモニカ協奏曲(ヴィラ=ロボス作曲)の入ったCDは買ってから15年以上経つが、この季節になると必ず聴き返しているように思う。
1998年、ポルトガル滞在中にブラジルに行き、4つの都市を駆け足で廻ったのだが、リオ・デ・ジャネイロに行った目的の一つは、このハーモニカ協奏曲を作曲したヴィラ=ロボスの記念館に行くことだった。この館長はブラジルを代表するクラシックギタリストであるトリビオ・サントスであることも気になっていた。残念ながらトリビオ・サントスには出張中でお会いできなかったが、ヴィラ=ロボスの直筆の楽譜などを見せてもらった。
ヴィラ=ロボスはクラシックギター曲の好きな人であれば誰でも知っている作曲家であり、またブラジル音楽の基礎を築いた作曲家であるため、ブラジル音楽の好きな人も知っている方が多いに違いない。
ヴィラ=ロボスがハーモニカという小さい楽器のために、すばらしい曲を残してくれたことはハーモニカ奏者にとって幸運であったのだろう。ギターで言えばアランフェス協奏曲に匹敵するといってもよいこの曲を、ボンフィーリオはクリアな音で気持ちよく演奏している。トミー・ライリーもこの協奏曲を演奏しているらしいが、こちらの方はまだ聴いたことがない。聴き比べてみるのもよいかもしれない。協奏曲以外に小品集としてヴィラ=ロボスのすばらしいメロディーの曲が収められている。こちらも聴き応え十分である。
ちなみに映画『クレイマー、クレイマー』のサウンドトラックに流れるハーモニカもボンフィーリオの演奏だとのこと。
ボンフィーリオのハーモニカ ヴィラ=ロボスのハーモニカ協奏曲_b0074416_064249.jpg

by kurarc | 2007-10-07 00:06 | music