近山スクール参加 柳沢林業 原薫さんの話を聞く

毎年のように参加している近山スクールが今日から芝浦工業大学豊洲キャンパスで始まった。近山スクールとは、早い話が木造建築の勉強会であるが、山のことから考えるところが普通の勉強会と異なるところである。今日は、長野県松本の柳沢林業で働く原薫さん(女性)と香川の建築家戸塚元雄さんの話をお聞きした。

原さんは女性でありながら、「素材生産」に従事している。「素材生産」とは、山へ行き、樹木を伐採し、その樹木を集材、玉切りといった作業をし、街まで運んでくる作業のことのようだ。つまり、山仕事は大きく山の樹木を育てる「造林」と、その育った樹木を利用するために切る「素材生産」という作業に分けられることになる。

原さんは、まさに山女というにふさわしい方で、猟師でもあるとのこと。山で捕ったイノシシなどを地元のジビエを料理するレストランに提供したりもするたくましい女性なのだ。休みの日まで山で山菜採りや蜂の子採り、キノコ採りにでかけるほどの山好きだそうだ。

原さんも言っていたのだが、山が生活の場であるということがなかなかわからない。特に都心部に住む人間には理解できない。山はレジャーの場としか見えなくなってしまった。かつて、山岳部に所属し山登りを楽しんでいた私も、山の生活ということを真剣に考えたことはなかった。
おじさんたちに混じって山の知恵を吸収しているという原さんの生き様は、我々の生活に対する強烈な批評であった。

by kurarc | 2007-10-14 00:55 | archi-works