ティル・ブレナー 『チャッティン・ウィズ・チェット』を聴く

ティルのトランペットの音色が気に入っている。チェット・ベイカーのトリビュートアルバムであるこのCDでも、ミュートを効かせた彼のトランペットの音色は甘い。特に女性に好かれる音色であることは間違いない。
前回紹介したアルバム『オセアーナ』よりこちらの方が明るい曲が多く、聴きやすいし、夏が終わろうとしている今に曲が合っていて、このCDは今の季節に聴くためのCDと行っても良い。彼はクラッシック、ジャズという領域を意識してはいるのだろうが、CDからその境界は全く感じられない。他のトランペット奏者とその点で一線を画している。アルトゥーロ・サンドヴァールといったトランペット奏者も良いが、彼より洗練されているように感じる。
現在、トランペットに興味のない人にとっても最も聴きやすいトランペット奏者と言えるかもしれない。このCDの中では「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」が最も印象に残る。
9月にはボサノヴァを取り上げたCDも準備されているようだ。今から楽しみである。
ティル・ブレナー 『チャッティン・ウィズ・チェット』を聴く_b0074416_1859095.jpg

by kurarc | 2008-08-30 18:59 | trumpet