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カテゴリ:colors( 10 )

「ガンボージ」という色

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久しぶりにお茶の水へ。この街に来ると立ち寄るのはもちろん古本屋街であるが、楽器店、レコード店やもう一つ、文房堂に立ち寄ることが多い。

お茶の水は、浪人生活をしていたときに1年間通ったなつかしい街である。絵や造形を学びに通ったが、昼は明大の師弟食堂でランチが定番だった。当時250円くらいでランチが食べられたと思う。少し体力がほしいときは「いもや」というトンカツ屋にクラスメートと行った。このトンカツ屋は現在も健在である。(場所は変わったが)

文房堂(下写真)という画材屋に立ち寄るのは、その頃もとめた水彩用絵具を買っていた店だからである。それと、現在もよく保存された店構えにひかれてのことかもしれない。その当時習っていた絵の先生に、「空にガンボージという色をうすくかけておくとよいよ」などと言われ、訳もわからずこの色を買い求めた。

現在は、毒性が強いことと色の劣化が激しいことから、「ニューガンボージ」(上、ウィンザー アンド ニュートン社)という新しい色に変わったらしい。東南アジアのガンボージという樹の樹液が原料だという。黄色い色であるが、レモンイエローのようなきつい黄色ではなく、透明な黄色である。そういえば、沖縄の民家の防風林に使われるフクギという樹の樹液も黄色い色をしていた。

店の中を歩きながら、若い頃、あまり上達しなかった水彩画をあらためて始めたくなってきた。
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by kurarc | 2014-09-28 21:05 | colors

ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーと噴火現象

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日曜美術館(再放送)でイギリスの画家ターナーが取り上げられていた。ロンドンのナショナルギャラリーでみたターナーの名画『雨、蒸気、スピードグレート・ウエスタン鉄道』の衝撃は忘れられない。松岡正剛氏による解説は見事だったが、ターナーは啓蒙主義期のイギリスにおいて、新しい時代が始まったことを鋭敏に感じ取った画家であったということだと思う。

3.11以後に自然現象に興味を持ち、噴火現象についてしらべていると、そこでもターナーの絵画に出会った。彼は1815年、インドネシア、タンボラ山での巨大噴火によってもたらされた「夏のない年」といわれる自然現象を『チチェスター運河』(上)という絵画の中に描いていたのである。それは、火山灰の影響によるまぶしい程の夕焼けの情景であった。こうした自然変化の経験による畏怖の感情、産業革命をはじめとするスピードへの社会変化とが彼の意識の根底にあったのではないか。一流の芸術家と言われる人たちは、そうした鋭い感性を具体化できる能力をもつ。ターナーは200年くらい先を見抜いて、絵画に表現したようにも思えてくる。ターナーの感性は現在の日本人の感性に共通すると言えるし、同時代人と言ってよいのではないか。
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by kurarc | 2013-12-01 21:10 | colors

マンゲイラカラー

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今日は門前仲町で進めている住宅のクライアントの方と打ち合わせを行う。

玄関脇にあるガラスブロックの中に「マンゲイラカラー」を取り入れたいとのこと。「マンゲイラカラー」とはブラジルのサンバチーム「マンゲイラ」を象徴する色。「マンゲイラ」(mangueira)とはマンゴーの樹を意味するが、そのマンゴーの色であるピンクと緑の2色がマンゲイラカラーである。

色を主観で決めるのではなく、ご自身の興味や世界観のようなものから決めていくことは非常に大切なことだと思う。それはクライアントの方のシンボルとなる住宅であるから、なおさらである。

それにしても「マンゲイラ」という最も有名なエシュコーラ・ヂ・サンバがその自然の色彩をシンボルとするというのもブラジルらしい。なんと素直な色彩であることか。

*マンゲイラのシンボルカラーはカルトーラ(上写真)が決めたという。そのシンボルカラーのピンクのソーサーと緑のカップのジャケット。
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by kurarc | 2012-10-16 23:42 | colors

「織り色」という言葉

ビートたけしの「アートビート」というテレビ番組で、沖縄が取り上げられていた。私が観たのは織物作家の上原美智子さん。

彼女が番組の中で「織り色」という言葉を使っていた。織物の糸一本一本の色が、織り上げられたときにできる色を「織り色」というらしい。織り上げられる前の糸の色と何本も重なり織り上げられた色は当然印象が異なってくる。

以前「テクスト」という言葉が都市を語るときに流行ったことがあるが、「織り色」という言葉の方が何かつかみやすい気がした。単体と単体が集合した総体が全く異なるような世界の隠喩を表現するときに使えそうな言葉だと思った。

フクギやクチナシの樹木からとれる黄色い染料は、沖縄らしい色に感じた。沖縄にいるときに首里の藤村玲子さんの工房(紅型)に立ち寄ったときも、フクギの黄色い染料をみせてもらった。この沖縄の黄色は私にとっては忘れられない色の一つである。

上原さんは蚕が出す糸をそのまま使い、それを織り上げるという究極の織物もつくっていた。沖縄では織物の世界は特に繊細さが際だっている。それは陶器の大胆な造形や絵付けとは正反対。沖縄の世界の中には様々な感性が共存している。沖縄の文化の複合性、対立性の現れのようだ。

*藤村玲子さんは2002年度の伝統文化ポーラ賞(優秀賞)を受賞されていました。
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by kurarc | 2011-11-08 18:42 | colors

真朱色について

ずっと宿題となっていた真朱色(まそお)についてだが、やはり神社の鳥居に使われている色、これは真朱色とかけ離れているようだ。

今日の神社の鳥居は銀朱色、あるいはバーミリオンという色に近い。やはり、朱色に対する感覚は古代人がもっていた感覚と乖離してしまったと言ってよさそうだ。

具体的に真朱色をみることができるHPを紹介しておきたい。真朱色は桃色がかった赤といった感じである。

1)カラーチャート 真朱
2) Key 雑学事典

*真朱とまそおが同じ色なのかどうか、今ひとつひっかかる。色彩チャートによっては区別しており、かなり色の感じが異なっている。
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by kurarc | 2011-10-07 22:58 | colors

『古代の朱』 復習として

このカテゴリcolorsでは、当分の間、「アカ(朱、赤、紅etc.)」の色の探求に費やすものとする。

以前、このカテゴリで『古代の朱』(松田壽男著)という著書について述べた。まずは復習も兼ねて、3つの「アカ」について前掲書をもとに簡単に記しておく。

1)水銀系のアカ:硫化水銀(HgS)のアカ。古代では「まそほ(真赭)」と呼ばれる。純粋のアカ。

2)酸化第2鉄のアカ:酸化第2鉄(Fe3O3)のアカ。俗にいうベンガラ。黒ずんだ紫に近いアカ。「そほ(赭)」と呼ばれる。

3)鉛系のアカ:4酸化鉛(Pb3O4)のアカ。一般に鉛丹または黄丹と言われる。ミカン色に近いアカ。

神社にみられる朱塗りの部分は、もともとは朱(水銀系のアカ)を使用していたが、後代には朱の代用品として鉛丹が用いられるようになる。つまり、鉛丹のアカはミカン色に近く、黄色みの強いアカであり、この色が普及したために、松田氏によれば、「朱」という純粋のアカに対する日本人の感覚が変わってしまったことが推測されるという。逆に「朱」というと、黄色みがかったアカを思い浮かべるようになったこと、これは間違いと言える。

松田氏は、こうした経緯から、「古代の朱」(水銀、朱砂の文化史)について調べるようになる。(普遍化して言うと、日本における金属、鉱物の文化史ということになろうか。)

*まそほ(真赭)がどのような色なのかは注意を要する。松田氏の書物に具体的な色見本が掲載されていないため、私もまだ確実に指摘できない。ウィキペディアに掲載されている「まそほ」の色は、松田氏の書物が言及する色とかけ離れているように思える。この色が古代における「まそほ」の色である、と言えるような資料をもう少し調べてからブログで言及することにしたい。それにしても、「アカ」といった時に思い浮かべる色のイメージは、誰一人同じではないだろうから、色彩について書くということは難しい。
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by kurarc | 2011-02-08 16:42 | colors

赤(紅、朱)い色の探求

正月の元日と2日は久しぶりに鎌倉を散策した。

まずは近所の銭洗弁天から化粧坂切り通しを通り、海蔵寺、寿福寺へ、2日は鶴岡八幡宮(旗上弁天社)から荏柄天神、浄妙寺、瑞泉寺などを徒歩で散策する。

寺の門や玄関にセンリョウ(あるいはマンリョウ)が飾ってあるところが多く、その赤い実の色で正月であることを気づかせてくれた。ちょうどテレビでは、志村ふくみさんが紅い色の染織への挑戦について語っていた。スオウ(幹)、アカネ(根)、紅花(花弁)といった植物による草木染めで糸を染めていくが、そうした繊細なアカに心奪われた。

以前から「赤(紅、朱)」い色は自分とってキーとなる色であることを感じていた。沖縄やブルーノ・タウトの建築、インド、ポルトガル、ブラジルをはじめ、何か大きな出会いには必ず「アカ」がつきまとっていたように思われる。

今年は少し、その「アカ」について探求したくなってきた。以前ブログで書いた色彩考古学(2009年5月12日のブログ)、あるいは色彩考現学のようなフレームを想定して、まずは「アカ」について調べてみることからスタートする。「素材としての色彩」というスタンスも大切にしながら、このブログのcolorsのカテゴリで少しずつ進めていくことにしたい。

下:志村ふくみさんの作品「紅襲(桜かさね)」
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by kurarc | 2011-01-04 16:31 | colors

最近みつけた朱い色

朱(あか)い色にはなぜか心が引きつけられる。最近みつけた朱い色は次の三つ。

岡山県 吹屋の街並み
ベンガラによる朱。是非訪ねてみたい街である。
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アンネ・フランクの日記(第1日記)
朱いチェックの日記であった。ユネスコの世界の記憶(世界記録遺産)に登録されたらしい。
アムステルダムへ行ったとき、アンネの家を訪ねた。日記で読んでいたような閉塞感はなかったが、壁に貼ってあった映画俳優のブロマイドが印象に残る。彼女は日記にも書いているように、我々にとって当たり前の日常(好きな映画俳優を思い浮かべるような)を心の支えにしていたことがよく理解できた。
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コジュケイ
大正期に中国から輸入された鳥。家の前の山で最近とくにやかましい。
朱(顔から胸にかけて)というよりオレンジ色に近い。
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by kurarc | 2009-08-01 21:35 | colors

色彩考古学の構築へ

colorsというカテゴリーをつくったのは、以前このブログでお知らせした『古代の朱』という書物に出会ったのがきっかけであった。日常的に接触する色彩が実は様々な歴史性や物質性を持ちながらも、その起源について深く考えたことがなかったからである。
最近読み始めたロス・キング著による『システィナ礼拝堂とミケランジェロ』によって、ミケランジェロが描いたフレスコ画の色彩への詳細な記述により、絵画という平面による芸術も、実は色彩という物質性や色彩の地域性をもっており、色彩を単にのっぺらな記号としてながめていてはその色彩という「もの」としての本質を見失ってしまうことに気づかせてくれた。

たとえば、赤禍色のバーント・シエナ(burnt sienna)という色を水彩画を描くときに使った方は多いに違いない。この意味はロス・キングによれば、イタリアのシエナ周辺の丘陵地帯からとれる鉄分の多いシエナ土を炉で熱した顔料、まさにburnt siennaである。よって、この色はイタリア(シエナ)の色という起源があり、その意味を抜きに使用しては単なる感性として色彩を把握しているに過ぎないことになる。
絵画には、このようにその地域固有の色彩が数多く使用されてきたし、ほしい色を様々な地域から取り寄せて使用してきた。ウルトラ・マリンはラピスラズリという原石を産するアフガニスタンからもたらされた青色顔料といったように。

以上のように絵画は、その内容とは別に色彩の物質的、考古学的側面をもつ。そのように眺めていくと絵画は全く別の構築物として、つまり、絵画は決して平面の構築物ではなく、色彩という物質によって構成された構築物(建築)として見えてはこないだろうか?
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by kurarc | 2009-05-12 22:12 | colors

カテゴリに"colors"追加

カテゴリに"colors”を追加することにした。前回のブログでも紹介した松田壽男著の『古代の朱』との出会いが大きいのだが、HPの中にも書いているように、沖縄の馬天小学校という赤い色彩の建築に導かれて沖縄に行き、修士論文では色彩建築家ともいわれるブルーノ・タウトを取り上げるなど、過去を振り返ってみると「色」は自分にとって重要なテーマとなっていたことに気がついた。
今後は主に「色」がもつ、物質的、文化的側面にテーマを絞りつつ、「色」の世界について取り上げることにしたい。

ちなみに、『古代の朱』を検索してみると、松岡正剛さんが書く「セイゴオちゃんねる」(2006年8月14日)の中にもこの著作が取り上げられていた。「朱」=「水銀」の世界は空海とも結びつき、かなり広がりのある日本古代世界に導いてくれそうである。

*今まで仕事集としてカテゴリに取り上げていた住宅の仕事は削除した。HPを兼用するかたちをとったため、はじめは仕事の事例を含めていたが、HPがすでにアップされたこともあり、本来のブログの機能を特化させることに軌道修正した。
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by kurarc | 2008-04-17 10:02 | colors


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