Archiscape


Archiscape
by S.K.
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

カテゴリ:France( 14 )

池澤夏樹著『セーヌの川辺』 フランスの景観について

b0074416_23181440.png

池澤夏樹さんの活動はいつも気になる。池澤さんを意識するようになったのは、アンゲロプロス映画のシナリオ翻訳者としてだが、その後、沖縄に過ごしたり、フランスに行ったりと、遊民のような彼の生き方に憧れてもいた。

フランスの生活から導きだされたこの著作の内容のなかに、都市景観に関する文章が含まれている。「フランスの景観 アズールとアスマール」という一文である。池澤さんは、結論から言うと、日本のような雑然とした都市ではなく、フランスのような美しい都市景観に共感している。

その理由は、単に美しいから、というだけではない。また、建築物を文化の表現とみる、というフランスの法体系やマルロー法に感心しているだけでもない。

それは、国家のあり方、人がどのように国をおもうのか、を表現していること、フランスの共和国の理念(ドゥブレ)、経済は政治に従属すべきものである、という理念に池澤さんは着目する。日本は全くその逆であろう。フランスのような理念から、広告や看板は都市の美観を損なうものであるならば、当然、譲るべきものとなる。

国が人民のものとならない限り、上のような理念は虚弱なままであろう。しかし、日本は現在ゆるやかにではあるが、景観法の整備を進めつつある。今後、現在の建築基準法と景観法がどのように接点をもち、変革されていくのだろうか?また、フランスの方向性ではなく、第3の方法、方向性のようなものはあり得るのか?

わたしは個人的には、フランスのようになることはない、と思えるから、第3の方法を考えるしかないと思うが、それがどのようなものになるのか、今の時点で全く想像がつかない。

[PR]
by kurarc | 2016-11-07 23:14 | France

「とってもジュテーム」の真意

日本人が最もなじんでいるフランス語は何だろうか?最近では、お菓子やフランス料理の影響でいろいろなフランス語が流通しているが、「ジュテーム Je t'aime.」すなわち、「愛しています。」という言葉は誰でも知っている言葉の一つであろう。

しかし、この言葉には注意が必要だそうだ。もし、「Je t'aime beaucoup.」(ジュテーム ボク)と言われたらフランス語を知らない日本人はどのように感じるだろうか?直訳すれば、「とても愛している」であるが、フランスでは、「ただの友だち」的好意を意味するのだと言う。恋人関係になる気はないとの警告なのだとか。(『「とってもジュテーム」にご用心』、飛幡祐規著、晶文社より)

フランス語では、過剰な修飾、強調には注意が必要らしい。また、簡素な言い回しでもその真意となると定かではないのだそうだ。「彼(彼女)はやさしい。」と言った場合、日本語では誉め言葉の内にはいると思うが、フランス語では、女性が「彼、ほんとうにやさしいわ」と評したら、やさしいだけで恋人には物足りないというニュアンスのことが多いのだそうだ。

フランスでは純真さはもてはやされない。どうもひねくれた文化らしい。こうしたことがわかってくると、言葉を学ぶことが一段と興味深くなる反面、同時に、注意深く学ばねばならないことがわかる。



[PR]
by kurarc | 2016-09-21 23:12 | France

外国語を1日で学ぶ

フランス映画や映画のシナリオの理解、さらに、フランス文化に対する興味のため、フランス語を学び始めておよそ8ヶ月が過ぎた。当初予想していた進み具合まではいっていないが、フランス語の先生と月2回学習している。フランス語は、もしかしたら今まで学んだ外国語の中で最も学習しやすい外国語のように思えてきた。

それはなぜか。第1に、多くの学習書、辞書が豊富にそろっていること。そして、その学習書をつくっている著者がフランス文化に対して並々ならぬ愛着をもっていること。第2に、フランス映画、フランス音楽など、語学を学ぶためのサブテキストとなるような教材に事欠かないこと、そして、フランス語文法が非常に洗練されていて、明解であるからである。

8月には、「星の王子さま」をベースにしたフランス語入門書を一通り通読した。そして、この通読をいかに早くできるかが語学の習得には欠かせないように思う。わたしが通読した語学書は157ページであり、この分量であれば1日で読むことができる分量である。つまり、この学習書を1ヶ月かけてこつこつやるのではなく、1日で読み通すことを4〜5回やった方が語学の習得に効果があるように思える。(ポルトガル語、スペイン語、フランス語などロマンス諸語の言語の文法はほぼ共通しているので、一つだけでなく、複数を学ぶことで理解しやすくなる)

以前にもこのブログで書いたと思うが、語学の習得は、なるべく早く言語文法の全体像をおぼろげながらもつかむことが大切である。よって、日本にいて、1年かけて文法を学ぶようなことは避けた方がよい、というのがわたしの持論である。海外に1年いれば、1年間語学漬け状態を維持できるが、日本にいたのでは、それはほぼ望めない。ならば、1日ですべてを学ぶくらいの集中が必要である。全体をつかみ、その後、部分、ディテールを学習していくのである。

語学は1日で学ぶことができる分量の学習書からまずは始めるのがよいのではないか?

*白水社のニューエクスプレスシリーズ、または、言葉のしくみシリーズは、おおむね150ページ前後であるから、これを、1日で読んでしまう。わからなくてもかまわない。それを、少なくとも3回以上続ける。発音の学習は、1日では無理であろう。これは、根気よく続けるしかない。それでも、なるべく早く発音の体系をつかむことが大切である。



[PR]
by kurarc | 2016-09-03 23:37 | France

NOUGAT NOIR

b0074416_20210755.jpg
フランス語の先生より、「NOUGAT NOIR」(ヌガー・ノワール)をいただく。日本語でいう(黒い)「ヌガー」である。袋には「TENDRE」とフランス語で記されている。「ソフトな、やわらかい」ヌガーということである。

ヌガーというお菓子は日本では最近、あまり食べられることはないかもしれない。wikipediaによれば、もともとはアラブのお菓子(ハルヴァ)であり、それが中国に伝わり、その後、またフランスに伝播、南フランスの名物菓子となったようである。このヌガーの蜂蜜は”Luberon”という土地のラベンダーの蜂蜜が使われている。

蜂蜜とナッツ(フランスではアーモンド)がその主原料であり、蜂蜜がどの程度の割合で入っているか、どのような質の蜂蜜かが質を見極める決め手になるようだ。早速、食後にいただいたが、今までに食べたことのないような素朴なヌガーで、甘さも控えめで美味であった。

お菓子は素朴なものほどよい。

[PR]
by kurarc | 2016-08-31 20:17 | France

基本語彙の数から

b0074416_135448.jpg

仏検公式基本語辞典3級4級5級の古本を購入した。5級550語、4級370語、3級750語の計1670語が収録されている。

フランス語に限らず、どのような外国語においても、基本語彙といわれるものは、この程度の数だが、その語彙の各国の関係はどのようになっているのだろうか?フランス語の基本語彙と言われるものと、たとえばイタリア語の基本語彙と言われるものにどの程度の差異があるのだろうか、ということである。

もし、かなりの差異があるのであれば、その語彙がその国の言葉の特徴を表す言葉であることになろう。そうした比較は以外と困難で時間がかかりそうなので、自分で調べてみることはできないが、興味深い。

しかし、およそ基本語彙と言われるものが1500語前後と、どの国においても同一であることも興味深い。まずは、この1500語前後を覚えることが、外国語習得の第一目標になるわけであるが、全くあたらしい外国語を1500語覚えるということは、かなり苦労する。さらに、研究者となれば、この10倍、15000語は習得しているだろうし、3万語以上は頭の中に入っているはずである。

千から万という数字へ飛躍するためには、人並みの努力では足りない。百で終わるか、千で終わるか、また、万という数字まで到達できるか、人はただそれだけのことである。
[PR]
by kurarc | 2016-07-27 12:57 | France

「adieu」と「au revoir」

b0074416_213229.jpg

『「星の王子さま」をフランス語で読む』(加藤恭子著、ちくま学芸文庫)の中に、「adieu」と「au revoir」の言葉のニュアンスの違いについて書いてあった。

加藤氏が言うには、「adieu」は永遠の別れ、もう会わないことを前提とした別れであり、「au revoir」は、ふつうの意味の「さようなら」であるという。

以前、映画「AU REVORE , LES ENFANTS」について書いたとき、「au revoir」の意味をまた会うことのない別れと認識していた(映画ではそのような別れであった)が、わたしの認識は間違っていたのかもしれない。(フランス語の先生もこのように言っていたのだから仕方ない)

そう考えると、映画のタイトルがなぜ「ADIEU, LES ENFANTS」ではなく、「AU REVORE , LES ENFANTS」であったのかという疑問がわき起こる。「adieu」では、永遠の別れという意味が露骨に表現されてしまうので、「au revoir」を使うことで、永遠の別れであっても、またいつか会えるのだ、という希望を託した言葉を監督のルイ・マルは選択した、ということなのではないか?

言葉を知るということは、こうした疑問を投げかけてくれるし、想像の深度、広がりをもらたしてくれる。こうした小さな発見を楽しむことが言葉を学ぶ大きな魅力と言える。

*『星の王子さま』に関する著書は、フランス語に関するもので3冊、訳書で2冊(内藤濯訳と池澤夏樹訳)、さらに、『星の王子さまの世界』(塚本幹夫著)の計6冊もっている。こうなったら、『星の王子さま』に関する著書の収集でもはじめよう。
[PR]
by kurarc | 2016-07-23 21:30 | France

AU REVOIR, LES ENFANTS

b0074416_21424698.jpg

AU REVOIR, LES ENFANTS (オルヴォワール, ル ザンファン)は、ルイ・マルの映画『さよなら子供たち』の原題(仏語)である。”AU REVOIR ”というフランス語の響きが好きなのだが、日本語の「さようなら(また会う日まで)」を意味するこの言葉は、日本語のニュアンスに近く、もう当分会わないときに使われる言葉であり、映画では、2度と会うことのない別れ(死別)を表現する言葉として使われた。

前回紹介したレーモン・クノーの『文体練習』の翻訳者の一人、松島征氏は、この映画のシナリオ(仏語)とその解説(日本語)が付属されているフランス語テキストを出版されていたので、早速手に入れてみた。最小限の解説ではあるが、この映画を深く理解できるようなコラム記事も付属していて、この映画の時代、1940年代のフランスの理解に役立つ。

この映画には、わたしの好きな女優イレーヌ・ジャコブが音楽の先生として出演している。彼女はこの映画をみたキェシロフスキに見初められて、映画『ふたりのヴェロニカ』の主演に抜擢された。彼女にとって重要な映画でもある。第二次大戦下のカトリック系寄宿舎におけるユダヤ人の少年と、友情を育むことになる少年との出会いと別れを表現した名作であるが、松島氏は、フランス文学の研究者として、映画の中で歌われる民謡やヴィシー政府、登場するドイツ人の台詞の分析など、映画を漠然とみていたのでは、気がつかない多くのポイントを解説してくれている。

さらに、映画の中で子供たちが話す俗語の解説も含まれている。こうした表現は、学習辞典にもフランス語の教本にももちろん載ってはいない。これらは、活きたフランス語を学ぶことに役にたつ。

名画、名作と言われる映画は、松島氏の解説からもわかるように、想像以上に奥深いのである。映画は娯楽の一つではあるが、人をみる、人を選ぶ娯楽といってよいかもしれない。
b0074416_21481333.jpg

[PR]
by kurarc | 2016-06-30 21:39 | France

フランス的なるもの

b0074416_21124679.jpg

シュルレアリスム、映画、文学、音楽、語学等、このところフランスの文化と縁を切れない生活が続いている。自分では、そんなに意識している訳ではないのだが、興味のあるものがフランスとなぜか結びついてしまう。自分の中にフランス文化に対する興味が気がつかないうちに蓄積されていたのだと思う。

多分それは、初めての海外旅行のときに遡る。このブログでも以前に書いたが、初めてフランスを旅したときの印象がはなはだよかったのである。パリは異なる季節に訪ねたこともあり、その光景の変化に心が奪われた。南フランスでは、移民とみられる人々に親切にしてもらったこともある。2度目のパリでは、モンパルナスタワーに勤務するフランステレコムのサラリーマンと列車の中で親しくなり(会話は英語で行った)、名刺を渡され、是非訪ねてくるようにと言われ、別れた。(モンパルナスタワーへは行かなかった。かれは、わたしが、ル・コルビュジェの建築に詳しかったことに感激してくれたようだった。)

大学時代、いわゆる「現代思想」と言われるものがもてはやされたが、その中心はフランスの哲学者であったし、ベンヤミンの論考にも、パリのパサージュを主題にした『パサージュ論』があり、フランスを知ることは、必須であったこともある。最近は、特に映画に触発されている。映画から文学へ、そして、フランス語を理解できるようにしようという方向へ進んでいった。

最近、レーモン・クノー(映画『地下鉄のザジ』の原作者)の『文体練習』を図書館から借りてきたが、こうした書物のもつフランスのエスプリや、頭の中の固定観念を転倒させてくれる多くの作品や仕事に巡り会えることが、フランスにひきつけられる最大の理由のような気がする。そして、そうした体験が気軽にできる下地が日本にはすでに存在している、ということ。つまり、フランス文化との付き合いがいまや成熟してきたということの証しなのだと思う。

批評的精神を忘れず、頭の中を明晰にしてくれるような「フランス的なるもの」に当分、お世話になりそうである。
[PR]
by kurarc | 2016-06-27 21:09 | France

音楽としてのフランス語

フランス語の授業をすでに12時間程度受けている。授業といっても、個人の先生に月2回、1回1時間、カフェでレッスンを受けているだけである。まだ、文法らしい授業というものはないが、ある程度、フランス語の骨格のようなものは見え始めた。文法は、他のロマンス諸語とよく似ていることもあり、その概要は予想ができるのだが(ポルトガル語の文法を学んでいるため)、細部においては微妙に異なるはずであるから、わかっているつもりになることは禁物である。

およそ12時間という授業の中で、わたしの先生が非常に厳しいのは発音である。ポルトガル語をやったおかげで、ポルトガル語の発音になってしまうと、厳しく注意される。フランス語は、母音が連続することを嫌う言語であり、また、その母音をシャープに発音することを求められる。そうした好みから、リエゾンやアンシェヌマンといった読み方が発達することになるのだろう。一つの単語の音は自立せず、言葉と言葉との関係によってその言葉の音が変化していくから、慣れるまでには時間がかかる。

この音に対する繊細な感覚はどこからくるのか、わたしにはわからないが、こうした言語を話すフランス人は、言葉だけでなく、音楽のような音の感覚に影響を与えているのではないかと予想される。もたついた発音を嫌うので、日本語やイタリア語のような重い発音に慣れているものにとってはやっかいなのだ。特に「e」の発音には注意を要する。「e」は、「エ」と条件反射してしまうので、その習慣からぬけださなくてはならない。

音にこれだけ注意することが求められるせいか、いつのまにか、これは音楽を学んでいるのではないか、といった幻想が頭の中をよぎることがある。リエゾンは音楽で言うタイやスラーのように思えてくるのである。ポルトガル語の響きも美しいが、それとはまた別の美しさがフランス語には存在する。フランス語を音楽として学習するということは、今のところ、大きく間違った考えではないような気がするのである。
[PR]
by kurarc | 2016-06-24 22:25 | France

広大なラテン世界の逍遥へ

フランス語を相変わらず学習している。フランス人のS先生は、チャーミングな女性であり、日本語もうまく、非常に丁寧に教えてくれるので助かっている。かなりスローペースで進んでいるが、わたしにはちょうど良い。発音は難しいが、少しずつではあるが慣れてきている。

フランス語を学び始めて、わたしの中にフランス語圏の文化が蓄積されていることに改めて気づかされる。映画、映像、音楽、芸術など若い頃から親しんできたものは大半がフランスのものであった。高校生の頃、一時ムスタキなどのシャンソンを聞いたが、ギリシャ系ユダヤ人のムスタキはフランス語で歌っていた。

クレオールの文化理論もフランス語圏の文化人がリードしている。本国に限らず、中南米を含むラテン世界(イベロアメリカを含む)へのパースペクティブも広がっていく。カナダのフランス語文化圏も視野に入ってくる。あとは、イタリア語とスペイン語を学べば、ラテン世界の言語はすべて学んだことになる。スペイン語は独学が可能であるので、イタリア語をどうするかになる。

エドゥアール・グリッサンらのフランス語圏カリブ海域の文化人たちもフランス語を学ぶことにより、身近に感じられるようになった。建築で言えば、ル・コルビュジエの作品集の理解も深まる。まずは、サン=テクジュペリの『星の王子さま』をフランス語で読めるくらいの力をつけることが当面の目標か。一時、ラテン語も少し勉強したが、もう少しまじめにやらなければならないのかもしれない。広大なラテン世界を逍遥し続けることは楽しく、興味は尽きない。
[PR]
by kurarc | 2016-03-23 21:27 | France


検索
最新の記事
カテゴリ
Notes
HP here

e-mail here

■興味のあるカテゴリを見た後に、また最初のページに戻るには、カテゴリの「全体」をクリックしてください。

■カテゴリarchives1984-1985では、1984年から1985年にかけて行った11ヶ月の旅(グランドツアー)について紹介しています。
画像は30年前のスライドをデジタル化しているため、かなり劣化しています。

■カテゴリfragmentでは、思考のヒント、覚書き、論理になる前のイメージ等、言葉を羅列する方法で書いています。

ライフログ
画像一覧
以前の記事