Podcast

iTunesからどうも曲を購入する気にはまだならないのだが、Podcast内の映像はなかなか興味深いものがあるし、それらのほとんどすべてが無料でダウンロードできることはありがたい。
たとえば、まだライブを聴いたことのないウィントン・マルサリス(ジャズトランペット)の映像をダウンロードして聴いてみると、その映像はどうも練習中のものを録画したようであり、むしろコンサートのステージの音楽よりマニアックな人間にとっては貴重な映像である。表現の完成形がコンサートであるとしたら、Podcastの世界はその不完全な部分、つまり練習風景などの裏側の部分を表現することが可能となる。マルサリスは100を越える映像を提供していていることはかなり太っ腹であり、これらをすべて観て聴くだけでも大変な時間が必要となる。
Podcastでも明らかなように、時代は動画を発信する時代にあっという間に変化してしまった。我々建築家の中にも、仕事の内容を映像化し、Podcastで配信するものも出てくるに違いないし、すでに配信している建築家もいるのだろう。もはや昔の建築写真のように、写真によって建築を神話化することではなく、建築を時間や動き、音、風などとともに表現しなければならないということなのだろうが、Podcastの出現は、結果としてそのどちらを選択するのかが問われることになる、と言える。

by kurarc | 2009-03-13 21:28 | music