鎌倉の夏の涼しさ

鎌倉の夏は、東京と比較すると極端に涼しい。二階堂に住んでいるときもそうであったが、特に現在住む梶原は山に囲まれ、夜になるとぐっと気温が下がるのがわかる。夜10時を過ぎた頃に窓を開ければ風が入り、エアコンなど必要ないし、現にエアコンは昼間でも使用していない。夜、窓を開けて寝ると涼しくて風邪をひいてしまうほどである。夜、窓を閉めるのはもう一つ理由がある。ヒグラシの声で夜中に目が覚めてしまうことを防ぐためである。

鎌倉はそれでも1960年代から緑が急激に減少しはじめた。しかし、減少したとはいえ、現在の程度の緑化率を維持すれば、エアコンが必要ない環境が維持できる。東京では蓄熱層としての道路やビルが住宅の周辺を取り囲むが、鎌倉はそのビルが山(丘といった方がよいか?)になっている。そのため、夜になると輻射冷却と海風によって急減に気温が下がってくるのだろう。

こうしたデータを精緻に調べ、このような環境を人工的につくれば、きっと同様な環境が形成されるはずである。東京にビルを建設するのではなく、雑木林や山を建設するということが実は必要なのだが、そういう時代が来ることは充分可能性がある。22世紀に入る頃には人口が半減し、都市も減築されて、その時、22世紀の人間は雑木林や山をつくる選択をしてほしいものだ。20世紀からすれば一種の逆ユートピアと言える人工的な自然の復元は、明治神宮の環境の事例もあるように、確実に可能なことが実証されているのだから。

by kurarc | 2009-07-27 23:36 | 鎌倉-Kamakura