溶射という技術

今日は日本建築家協会関東甲信越支部・保存問題委員会の同僚でもある横浜の笠井氏の事務所におじゃまし、仕事の話などを伺った。

その中で、「溶射」の技術について教えて頂いた。笠井氏は横浜の霧笛楼のカフェを設計されているのだが、そのカフェのカウンター廻りにこの「溶射」の技術を使って、金属質の装飾を行っている。溶射の技術について詳しくはWikipediaを参照していただきたいが、手短に言えば、金属を吹き付ける技術であり、その母材は基本的になんでも可能であるということ、つまり紙にも可能であるので、紙が金属のようになってしまう。もともとは橋梁や船舶など巨大な構築物のさび止めとしての技術のようだが、これは建築や家具、インテリアなど様々なものに応用ができる。吹き付けたものは本当の金属であるので、その金属の性質は担保される。安物の合板の天板に錫(スズ)を溶射して鈍い銀色に光らせることもできる興味深い技術である。

by kurarc | 2009-11-09 20:35 | archi-works