クリストファー・オライリー 水の音楽

クリストファー・オライリーのCDを改めて紹介したい。彼はRadioheadというポストロックバンドの曲を見事にピアノ曲に変換したアーティスト(ピアニスト)である。このCD、『hold me to this』を聴いていると、不透明なロックの曲を透明な水の音楽のように見事に編曲している。曲を聴いていると、白く雪の積もった山々や今にも凍りそうな澄んだ水の流れなどが浮かんでくる。以前紹介したときにも10月のブログで取り上げたのだが、やはり、このCDは北国に雪が積もりはじめた頃の季節に聴くのにふさわしい。
このCDでは、Radioheadの曲で私が最も優れた曲と思っているparanoid androidもピアノ曲に変換している。リズムを感じさせることを消去し、音や和音のつながりをより強調することによって、彼のアレンジの透明さが維持されている。また、そうした効果によって、彼のアレンジは水墨画のような音楽に仕上がっていると言えるかもしれない。このCDの最後、street spirit(fade out)の終わりの和音の音が意表をつく。(ピアノはHamburg Steinway Model D)

*昨年、さいたまスーパーアリーナでRadioheadのライブを初めて経験した。ほとんど話すこともなく、自分達の音楽をぶっ通しで聴かせてくれたのが印象的であった。



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by kurarc | 2009-12-19 17:25 | music(音楽)