三つ脚の椅子とPL法

デンマークの椅子には3つ脚の椅子の傑作が数多い。以前ブログで紹介したポール・ケアホルムの椅子も3つ脚であった。織田憲嗣氏によれば、ミルクスツール(牛の乳を搾るときに使う腰掛け)が三つ脚の簡素なものだったらしく、デンマークのデザイナーはそうしたスツールがデザインのインスピレーションになっているという。

しかし、三つ脚の椅子は、お上品に座っている分にはよいのだが、安定が悪いため、PL法(製造物責任法)により奨励されていないことを最近知った。アルネ・ヤコブセンの名作である「The Ant Chair」なども三つ脚のものは、日本に輸入されなくなったらしい。

安全は確かに大切だが、こと椅子に関しては少し過剰な気がしてならない。勿論、PL法適用外と謳っておけば問題はないのだろうが、デザイナーは、三つ脚の椅子をデザインをしようとするときには注意を要することは確かなようだ。
(下:三つ脚のThe Ant Chair-日本ではあまり見かけなくなるだろう。)
三つ脚の椅子とPL法_b0074416_0102032.jpg

by kurarc | 2010-10-16 00:07 | design