「花の都」としての鎌倉

春が近づいてきた。いや、鎌倉にいるともう春が来ている、と感じられる程だ。

2月も終わりになり、数多くの花々を寺社で楽しむことができるようになった。アマチュアカメラマンなどが寺の花々を撮影している光景を見かけることも多くなった。

八幡宮の牡丹は3月1日までだというが、鎌倉の中で最も手入れのされた庭園と言えるだろう。この冬牡丹を見逃した方は慌てることはない。また春に観ることができるのだから。

ロウバイ(ソシンロウバイ)、マンサク、福寿草、ミモザ、サンシュユといった黄色い花々は特に鎌倉や湘南では春を感じさせてくれる色である。また、ボケや椿の赤も出始めた。特に絞り乙女や紅乙女などの椿の花のかたちは、幾何学的で美しい。早咲きの河津桜なども見かけるようになった。もちろん、梅はもうすぐ満開といったところである。

こうした鎌倉の花々をカメラで撮影することでカメラの技術を向上させるための書籍も数多く出版されているが、『鎌倉で花を撮ろう!』(近藤純夫著、平凡社)は1月から2ヶ月ごとに花々の解説、撮影方法などと鎌倉の散策コースをうまくまとめてあり、花好きにはありがたい。この本で下調べをした上で、鎌倉の花々をめぐることは楽しいに違いない。

都市は鎌倉のように多種多様な層(レイヤー)が積み重なっていることが、その都市を豊たかにしてくれると思う。鎌倉は様々な層をもつ都市であるといえるが、花という層をもつ都市、すなわち「花の都」として十分通用する都市といえる。

by kurarc | 2011-02-22 20:22 | 鎌倉-Kamakura