映画『戦場のピアニスト』を観る

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以前から気になっていたポランスキー監督の映画『戦場のピアニスト』を観た。

ナチスのポーランド侵攻の中で生き残ったピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンの実体験をもとに映画化されたもの。ポランスキーはいろいろ噂の絶えない監督ではあるが、この作品でカンヌ映画祭パルムドールを受賞。

ポランスキーのリアリズムへの追求は凄まじかった。この映画はパルムドール受賞に値する、と正直に思った。何か言葉が出てこない。圧倒されたからかもしれない。ピアノ曲が重要な役割を果たすが、それに対する安易なロマンチシズムが感じられないのがよかった。

この映画によれば、主人公のシュピルマンはドイツ軍将校ホーゼンフェルトに見つかり、ピアノを弾くよう命じられたとき、ショパンのバラード第1番ト単調作品23を弾いたことになっている。そして、この演奏はこの将校の心を動かし、将校は彼に食料を届け、シュピルマンは生き延びた。生きることは神の仕業なのかと考えてしまう映画。少なくともこの映画によれば、彼は様々な人々との幸運な出会いによって戦争を生き延びている。生き抜くことを運命づけられたピアニストの物語。

by kurarc | 2012-02-04 23:11 | cinema