映画『ジョンとメリー』 ラストの言葉の真意
映画『シャンドライの恋』を少し前に紹介した。実は、以前このブログでイラストレーターの佐々木美穂さんの著作『チョコレートな夜』という本を取り上げたのだが、この本は佐々木さんが好きな映画のエッセーを集めたもの。この本で紹介されるすべての映画が私の好みと一致していて驚いたのだが、その中でまだ観ていない映画を最近、暇を見つけては観ていた。
映画『ジョンとメリー』(1969)もその一つ。ジョン(ダスティン・ホフマン)とメリー(ミア・ファロー)との出会いの物語。ジョンは家具デザイナーであり、以前アトリエとして使っていた彼のアパートのインテリアがおしゃれなのが印象的。デザイナーらしく几帳面なジョンは、たとえば、コーヒーはケメックスのコーヒーメーカーで淹れ、レコードで聴く曲も、午前中はブラス系、午後はクラシック、夜はジャズのように決めている。何気なくトーネットの椅子が置いてある部屋で、ジョンとメリーとの心の奥をお互いに覗き込むような会話がスタートする。
そして、ラスト。二人はいろいろあったが最後にまた一緒になるというシーンで終わるのだが、そのラストのメリーの台詞が意味深長であった。この点について、佐々木さんのエッセーでは触れられていない。どのように考えるのか迷う台詞で終わる。それは、観てからのお楽しみとしたい。
*この映画音楽はクインシー・ジョーンズが担当。イントロ部分のアレンジが見事。ラストもよい。
by kurarc | 2012-07-12 22:53 | cinema