松井選手の引退会見

年末の慌ただしいときに、松井選手の引退会見の知らせが届いた。私は最近はあまり野球を楽しむことはしていなかったが、松井選手はいつも何か気になる存在であった。

今日の会見をyou tubeでたどってみて、やはり彼は一流と言われるにふさわしい選手であると改めて感じた。あれだけの記録を残した選手にしては、実に地味な引退会見であったが、淡々とした話し振り、静かに語りかけるような言葉使い、大袈裟なパフォーマンスをすることもなく彼は去って行った。引退会見を開いた時期も、彼らしい。この慌ただしい時期では、大きな話題には登らない。彼は静かに去ることを望んだのだろう。

誰もが感じるのだろうが、38歳にして品格、風格をもっている数少ない野球選手の一人であったように思う。そのことが私にとって何か気になる存在を印象づけたのかもしれない。

品格という言葉は、いまやありふれた言葉になったが、人間は様々な節目のときにどのような態度をとれるのかによってその人の品格が表現されるし、顕在化するものだ。松井選手は、引退という最も大きな節目に、品格を保ち去って行った。彼は本物のスポーツマンである。

きっと彼は今後、人間としてどう成長できるのかを考えた上で、新しい仕事につくはずである。今後の彼の活躍を期待したい。

by kurarc | 2012-12-28 23:45