マルセル・ブロイヤー

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本を整理していると、以前本にはさんでいたブロイヤーのワシリーチェア(上)の絵葉書がこぼれ落ちた。

コルビュジェのような著名な建築家の影に隠れてはいるが、バウハウス出身のデザイナーの中には驚く程のセンスをもったものたちがいる。その中の一人がブロイヤーである。

アドラー社の自転車のハンドルからヒントを得てデザインしたというワシリーチェア(ワシリー・カンディンスキーのための椅子)は、世界初のスチールパイプの椅子であり、スチールパイプの特性をこの段階で完璧に習得し、豊かなデザインの椅子を生み出している。マルト・スタムとカンティレバーのデザイン権(特許権)を争ったというチェスカチェアもよい。

コルビュジェの建築が肉厚なコンクリートのイメージだとすれば、ブロイヤーの建築は我々の世代にも通ずるシャープな建築をつくっていた。ブロイヤーこそ実はわれわれと同時代人。ブロイヤーは少し生まれるのが早すぎたのである。

*私の絵葉書のワシリーチェアは、パイプがそれぞれ溶接されてジョイントされている。上の写真のようにパイプをズラして接合するようになったのはいつからなのか調べてみないとわからない。

by kurarc | 2013-02-05 21:34 | design