SD 1975-11月号 シェーカーの建築とデザイン

すでに廃刊となった『SD』という雑誌の1975年11月号は、シェーカー教団の建築と家具を中心としたデザインについて特集されている。この雑誌は20年以上前、多分お茶の水の南洋堂か明倫館で購入したものだと思う。

この特集には、大学時代にお世話になった大橋晃朗先生をはじめ、建築史家の神代雄一郎氏、家具デザイナーの渡辺力氏や詩人の谷川俊太郎氏(大橋先生の家具をもつ)等といった面々が文を寄せている。

シェーカーの家具は今では商品として流通し、日本でも家具好きの人であれば、かならず認知している程になった。この雑誌で特集された頃には、まだごく少数の人しかその価値を見出せないでいたと思われる。

大橋先生は、1970年代初期にシェーカーの椅子の復元を行い、日本においていち早く、彼らの家具のリアリティをつかんだデザイナーであったが、こうした作業を行ったこともあるのだろう、高浜和秀氏や倉俣史郎氏といった著名なデザイナーの方々から、文献や解説書をいただいたことが記されている。

問題は、21世紀になった現在、シェーカーの家具をいかにとらえるのか、ということになる。今では考えられないような禁欲的な生活を強いられたシェーカー教団から生み出された家具は、無駄のない造形物の家具として、そのデザイン的価値が評価され、流行しているが、その家具を置くような生活が果たして現在成立しているのかと思うと、全く正反対の環境だと言わざるを得ない。

シェーカー教徒のような生活をしたいとは私は思わないが、彼らの労働(仕事)と宗教が一致していた生の中から生み出された家具をいかに引き継ぐのかは、すぐに解答のでる問題ではないということだけは確かである。

イギリスからアメリカにやってきた最初のシェーカー教団の一人、アン・リーの有名な言葉、

「千年生きるつもりで仕事をし、明日死ぬつもりで仕事をしなさい。・・・あなたの手を仕事に、心を神に差し出しなさい。・・・」
by kurarc | 2013-11-23 00:13 | design