ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーと噴火現象

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日曜美術館(再放送)でイギリスの画家ターナーが取り上げられていた。ロンドンのナショナルギャラリーでみたターナーの名画『雨、蒸気、スピードグレート・ウエスタン鉄道』の衝撃は忘れられない。松岡正剛氏による解説は見事だったが、ターナーは啓蒙主義期のイギリスにおいて、新しい時代が始まったことを鋭敏に感じ取った画家であったということだと思う。

3.11以後に自然現象に興味を持ち、噴火現象についてしらべていると、そこでもターナーの絵画に出会った。彼は1815年、インドネシア、タンボラ山での巨大噴火によってもたらされた「夏のない年」といわれる自然現象を『チチェスター運河』(上)という絵画の中に描いていたのである。それは、火山灰の影響によるまぶしい程の夕焼けの情景であった。こうした自然変化の経験による畏怖の感情、産業革命をはじめとするスピードへの社会変化とが彼の意識の根底にあったのではないか。一流の芸術家と言われる人たちは、そうした鋭い感性を具体化できる能力をもつ。ターナーは200年くらい先を見抜いて、絵画に表現したようにも思えてくる。ターナーの感性は現在の日本人の感性に共通すると言えるし、同時代人と言ってよいのではないか。
by kurarc | 2013-12-01 21:10 | colors