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砂について

砂に興味がある。思い出してみれば、砂に関する最初の記憶(私にとっての原砂(ウール・ザント))は幼稚園児のときである。幼稚園に通っていたときに、泥団子をつくり、その泥団子に白砂をまぶし、磨いていく。磨いては園舍の縁の下に隠しておき、次の日にまたそれを繰り返しては、縁の下にしまう。何日かそれを繰り返すと、泥団子は泥とは似て非なる黒光りした固まりに変化するのである。この研磨につかう白砂は幼児の私にとって、特別な砂であった。

花田清輝の随筆『沙漠について』からの影響も大きい。彼の砂にまつわる壮大なイマジネーションは今読んでも感嘆する。それは量子力学と文学を往還するイマジネーションなのだ。(この随筆は安部公房の『砂の女』に何らかのインスピレーションを与えたはずである。)

寺田寅彦の随筆『自然界の縞模様』にも、砂泥(さでい)の波形や粉(粉体力学)についての記述が現れる。寺田の随筆は昭和8年(1933年)2月に書かれたものである。この頃に現在話題になるフラクタルのような視点をすでに展望していることには驚嘆せざるを得ない。

以前このブログで書いた砂漠の地形にみられる「バルハン」という波形は、なぜあのような形が形成されるのかずっと疑問に思っていたし、北アフリカで体験した砂漠やイランで体験した塩砂漠、パキスタンの岩砂漠などに対する強烈な記憶もある。

そうした興味、疑問を解決してくれそうな本が、昨日ブログに書いた『砂 文明と自然』である。アインシュタインは息子が河川工学を専攻しようとしたところ反対したということがこの本に書かれていた。それは、土砂の移動はあまりにも複雑すぎる、という理由からだという。砂というありふれた物質は未だに未知で難解な物質であり続けている。

しかし、花田も言うように、何か砂には破壊力に対する創造力を秘めている気がするのである。私は、もしかしたら『砂 文明と自然』を読み終わる頃、アレノフィル(砂マニア)に変化しているかもしれない。

砂に関するサイトの一例Greeberg. GaryのHP
by kurarc | 2014-02-10 21:16 | nature