映画をみることは自分の過去を再構築すること

映画にかなりのめり込んできた。すばらしい映画をみるたびに、なぜ同時代にこの映画をみなかったのだろうか、と悔やまれる。もちろん生まれる前の映画はみることはできなかったが、映画はそうした時を超えて、生きた時間を感じさせてくれる。

映画によって、過ぎ去った過去を取り戻そうとしている自分がいることに最近気がついた。たとえばこのブログで紹介した『ふたりのベロニカ』が日本で封切られた頃、私は何をしていたのだろうかと考える。ちょうど修士論文を仕上げ、再び設計事務所に勤めた頃だったことを思い出すのである。そして、この頃ちょうどポーランド語を少しかじっていたこともあり、この映画をみてはいたが、その後すっかり忘れてしまっていたのはなぜだったのだろう、と考える。

それから20年以上が経過して、再びこの映画に出会った訳だが、忘れたのは再び出会うためだったからなのだとわかる。映画は、自分の過去を問い直し、再構築するためのツールにもなり始めている。自分の趣味趣向は絶えず変化するが、映画をみると、今自分が最も興味のあることが鮮明になるメリットも大きい。

私にとって映画は、こうして過去を再構築するためのツールであるばかりでなく、脳への豊かな喜びに満ちた栄養を与えてくれる食べ物のような存在になっている。
by kurarc | 2014-02-27 20:14 | cinema