人気ブログランキング |

ポーランド語と鼻母音

武蔵野市吉祥寺図書館から『ニューエクスプレス ポーランド語』を借りてくる。春になり、新しいことをはじめる季節になった。そこで、ポーランド語をはじめることに。

入門用の語学書であるが、相変わらず入門者の便宜をはかっているとは思えない。当たり前のことだが、こうした語学書は、その語学をマスターした方々によって書かれるが、そうした先生方は、自分が初めて学んだときのことを忘れてしまうようだ。

そして、語学書は、相変わらず部分の積み重ね、つまり淡々と発音からはじめ、文法事項の羅列をまとめているに過ぎない。スペイン語やフランス語の語学書になると、競争が激しいから、語学書に工夫が感じられてくるが、ポーランド語は、日本ではこの本くらいしか入門書がないから、工夫が全く感じられない。

語学書は、部分ではなく全体をつかむことからはじめ、部分へと広げていくべき、というのが私の持論である。なるべく、その国の言葉の特色を一瞬にしてわからせるくらいの工夫が必要なのである。

こうした悪口ばかりでは、失礼なので、よいことも書いておこう。この語学書は、「ポーランド語ってどんな言葉?」という書き出しから始まっているが、その中に、


ポーランド語はスラブ祖語に存在したと推定される鼻母音を現代に残す唯一のスラブ語です、


という文がある。私がまず全体を、というのは、まさにこのようなことを指す。つまり、この文によって、ポーランド語発音において、他のスラブ語と異なる点が一瞬にして了解できるからである。

また、私はポルトガル語をやっているので、鼻母音をもつポルトガル語とどこか似ているのではないか、と想像をかきたてられることも重要になる。そして、私が最近よく聴くポーランド人女性歌手のアナ・マリア・ヨペクもこうした発音の類似性からポルトガル世界に親近感をもったのでは、などという推測を楽しむこともできる。

2つの国の言葉に共通する鼻母音(フランス語にも存在する)は、私が無意識の内に興味をそそられていた音の一つだったのかもしれない、ということも、また、日本語の中にも現在ではあまり明確に発音されないが、鼻母音があったことも頭の中をよぎってくることになる。
by kurarc | 2014-04-11 21:17 | books