ダンテを忘れないように

文学では、今年、ダンテを読む年になりそうである。ボルヘスの『七つの夜』の第1夜に登場するのが、ダンテの『神曲』。ボルヘスによれば、ダンテの『神曲』は、「文学の頂点立つ」と言い、この『神曲』を読まないことは、「文学が私たちに与えうる最高の贈り物を遠慮すること」になると言い切っている。

さらに、最近ブログで取り上げた映画『ふたりのベロニカ』にも、ダンテの神曲からの一節に曲をつけた台詞が登場する。ポーランドのベロニカは、この歌を歌っている途中、舞台の上で死を迎えるというシチュエーションとなる。

ダンテを理解するということは、古代ギリシア、ローマとルネッサンスとを理解することにもつながり、ミケランジェロを理解することにもつながって行く。ダンテの生年(1265年)を考えると、彼はポスト12世紀ルネッサンスの世代であり、アラビア科学などの翻訳を十分咀嚼できた世代に属することになるから、彼のような活動が、15世紀のルネッサンスを準備していたことは容易に推測できる。

初めての海外旅行のとき、すでにイタリアのラヴェンナでダンテの墓を見学している。先日Facebookの読んだ本で取り上げた漱石の『カーライル博物館』のカーライルもダンテの批評を書いていることがボルヘスの著書に書かれている。ギリシアのホメーロスとの繋がり(これはアンゲロプロス映画理解のため)など、こうしてまたすべてが連鎖してくることになる。

ダンテとイスラム文学との関連については、ミゲル・アシン・パラシオスによる研究(仮説)に端を発した、以下のような論考が検索で見つかった。このパラシオスに関しては、樺山紘一氏も『芸術都市の誕生』(PHP研究所)の中で言及している。私が仮定した12世紀ルネッサンスとの関連はどうやら事実と言えるもののようだ。

*ダンテとイスラム文学との接点

建築においては、ジョゼッぺ・テラーニの ”ダンテウム” のプロジェクト(下)に注意。

花田清輝著の『復興期の精神』の最初の文章は、「女の論理ーダンテ」であった。
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by kurarc | 2014-04-13 14:57 | books