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高橋マリ子さんの『URASHIMA SAN』

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女優の高橋マリ子さんが、太宰治著の『浦島さん』の英訳本『URASHIMA SAN』を出版した。高橋さんは私の高校の後輩にあたる女優であり、その透明感のある佇まいには以前から注目していた。さらに、現在、生まれ育った三鷹に住まいを移してから太宰の著作を気にかけては読んでいただけに、この二人の組み合わせは驚きとともに、偶然とは思えなかった。

この本はデザインがよい。それは、装画が美しいということだけでなく、英文と日本語との組み合わせの仕方に工夫がある。左から英文が、右からは縦書きの日本語が接続された構成になっていて、それぞれ独立して読めるように工夫されている。(上写真)

日本語の方を一文読んで、それがどのような英文に翻訳されているのか、という楽しみ方が一つの本の中である距離感をもってできる。通常このような本では、英文を左ページに、右ページに横書きされた日本語を編集する場合が多いが、そうすると、両者が互いに接近しすぎていて、独立性が保たれていない状態になる。原作に敬意をはらうという意味では、この本の編集(デザイン)の仕方は的を得ていると思った。

太宰治も「よくやった」と天国で微笑んでいるのではないか?

by kurarc | 2014-05-04 08:54 | books