トランペット ため息奏法

トランペットは呼吸を音にする楽器である。小さい孔の開いているマウスピースにたっぷりと息を吹き込み、上唇を振動させなければならない。しかし、初心者はその息がうまく入っていかない。

息を吸って、吐くという生きた人間ならだれでも行っている動作に楽器という装置を媒介させて音を出すことになるが、この中間に位置するトランペットが入ったとたんに、息は乱れ、普通の呼吸ができなくなってしまう。そして、よい音も出てくれない。

あるオーケストラのHPの中に、楽器の奏法や音色など様々な質問に答えてくれるコーナーがある。トランペットのコーナーもあって、たびたびのぞく。その中に、「ため息」のように吐く息を考える、ということが書かれていた。

「ため息」は、吸った空気を脱力して吐く行為と言えるが、これがトランペットには極めて有効な呼吸のイメージとなる。人間は空気を一杯吸うと、身体に無理に力を入れることなしに、自然に吐き出してくれる。トランペットの場合、吐く息で音をつくるが、そのときに吐くことを意識しすぎると、唇に余計な力みが生じて、唇がうまく振動しないし、身体も固まってしまう。

「ため息」は、リラックスした状態で、しかも大量の息を吐く行為なので、トランペットの奏法に応用できるのである。これを、とりあえず「ため息奏法」と名付けておく。息を吐くことを力まずに行うには、この「ため息」のときのイメージが役に立ちそうである。
by kurarc | 2014-06-01 14:18 | trumpet