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糖質制限食の広がり その1

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行政が行う健康診断で、血糖値が高い、と言われたことのある方は大いに違いない。さらに、糖尿病予備軍であるとか、軽度の糖尿病であると言われた方もいるだろう。

医者はそうしたときにどのような説明を行うか。糖尿病がいかに怖い病気であるか、患者を驚かせ、食事制限から薬、はたまたインシュリンなどの治療という「標準治療」のコースを説明するはずである。

こうした治療方法に真っ向から対抗する治療法を提示したのが、「糖質制限」という治療法である。そもそも血糖値を上げる食品(糖質の多い食品)を食べなければ、血糖値は上がらないのだから、そうした糖質を制限すればよいではないか、という対処法である。

糖尿病学会からは、こうした糖質制限については間違った考え方である、というような意見が提出されているという。大雑把に言えば、糖質制限は食事を偏らせるということらしい。その意見も最もだが、そうした意見の背後には、今まで確立してきた「標準治療」という治療方法を無力化させるのではという危機感がある。成人病という病気は、医者に取ってドル箱であるから、糖質制限のような対処法で糖尿病が早期に治癒されては困るというのが医者の本音であろう。

以上の議論は、こうした治療法の問題だけでなく、人間が過去何千年かけて培われてきた食事の文化、概念を根本的に変革するような考えを含んでいたり、農業の未来についての問題提起をはらんでいることが見えてくる。

『炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命科学』(夏井睦著、光文社新書)は、こうした問題の見取り図を示してくれている、非常に示唆に富む著書である。この問題について、以後何回かに分けてブログで取り上げてみたいと思う。
by kurarc | 2014-07-31 23:42 | gastronomy