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和食は無形文化遺産にふさわしいのか?

和食がユネスコの世界無形文化遺産に登録された。私のような和食嫌いには、ピンと来ない。確かに和食は、素材の持ち味を活かし、伝統的行事や家族との団らんの中から育まれてきた料理文化であった。しかし、現在、果たしてそういえるのだろうか。日本人は、日常的に和食の文化になじんでいるのだろうか?

ラテン世界の食文化になじんだこともあるが、それと比較すると、日本人は和食からむしろ遠ざかっているような気がしてならない。ファーストフードの普及は和食から遠ざかる大きな原因の一つであろう。さらに、最も大きな問題は、食事に費やす時間である。サラリーマンをはじめ、日本人は、朝食、昼食、夕食にどれだけの時間を費やしているのだろう。そして、その時間をどれだけ楽しんでいるのだろうか?

私が経験したポルトガルの食文化は、真に楽しい時間であった。対話をしながら食事をすることは当たり前であり、一人黙って食事をすることはまずない。さらに、ワイン等のアルコールは昼から当たり前であり、安食堂へいっても、エンプレガード(ウエイターにあたる)の対応はよく、客の注意もおこたらない。日本では、店に入り、メニューを見ている間に、ウエイターから無視されるようなことはざらだが、そのようなことはまずなかった。

糖質制限という考え方から、和食が健康に良いというのは幻想であることも暴露された。日本人の寿命が延びるにつれ、主食と言われる米を中心とした和食や、お袋の味に代表されるような砂糖過多の味付けでは健康が維持できないことも明らかとなっている。

和食は実は転換期を迎えているのである。戦前の労働食から洋食、海外の食文化の普及を経て、現在の生活に即した和食が創造されなければならないのである。そして、それは未来の農業を視野に入れることも忘れてはならない。

それでは一体どのような和食が創造されるのであろうか?私はその大きな流れを、穀物から豆(大豆ほか)への転換と予想しているが果たしてどうなるのか?食文化は保守的であり、ある意味で麻薬と同じであるから、甘い誘惑の泥沼にどっぷりと浸かった食文化の経験から転換することは難しいと思われるが、新しい食への感性が成長することを期待したいものである。

*たとえば、ハンバーグ。洋食屋に行くと、なぜハンバーグにライスがつくのか(カロリーの過剰)?定食という米、みそ汁とおかずによる組み合わせがなぜ一般化したのか?考えれば奇妙な組み合わせである。良心的な定食屋では、すでに行われているが、少なくとも米、みそ汁、おかずはその人の必要に応じて選択されるべきなのだ。米をベースにしたどんぶりもの、寿司、ちらしなど、和食を代表するような食事が陳腐にみえてはこないだろうか?
by kurarc | 2014-09-16 21:32 | gastronomy