カフカ 『変身』

週末の演劇鑑賞の予習として、カフカの『変身』を再読。いつ読んでも興味深い小説である。比較的短い小説であるから、一気に読了できるのもよい。文庫でおよそ100ページの小説。映画で言えば、100分の映画だろう。映画も120分となると、相当おもしろいものでないかぎり、少し疲れてしまう。

カフカはこの小説で、グレゴール・ザムザが虫に変身する様を描くが、挿絵において虫を書かせることを拒否したという。つまり、カフカは、虫というモチーフをもう少し普遍的な現象と理解してほしかったのだと思う。それにしても、カフカにとって「虫」への変身とは何を言いたかったのだろうか?

もちろん、読者はどのようなものを想像してもかまわない。生涯を振り返ってみると、こうした「変身」を経験することは誰にでもあることだと思う。そして、自分が変わるのではなく、自分の身の回りや社会全体が変わってしまうこともあるだろう。

『変身』とは、この世界を生きて行くときに、いつもつきまとう「闇」のようなものであろう。

*私が読んだのは、新潮文庫の高橋義孝訳。少し言い回しが古い。別の訳者のものを読んでみたい。
by kurarc | 2014-10-05 18:30 | books