Double life design

"Double life design"とは、映画『The Double life of Veronika』(ふたりのベロニカ)から発想されたデザイン概念である。このブログでたびたび取り上げている映画『ふたりのベロニカ』は、命、あるいは魂を引き継ぐことが主題となった映画である。または、失われたものの尊さを感じる映画とも言える。(この映画の主題はもちろんこれだけではない。様々な主題、副題が錯綜した映画である。)

たとえば、ここにテーブルがある。通常は水平な天板があり、それに脚がついてテーブルが成立する。それは、テーブルという一つの意味、機能の表示である。"Double life design"においては、テーブルに2つ、またはそれ以上の意味、機能を含むものとしてデザインする。

たとえば、災害時にテーブルを薪として燃やせるようにする(たとえば、天板を角材の集合としてデザインする)、とか、テーブルを構成する材料で椅子に変化する、など一つのデザインの中に複数の生命を宿すようなデザイン概念を"Double life design"と定義する。

さらに、この概念によれば、デザインはブリコラージュや異化としてとらえられる。瓦礫の中から、木材を拾い、テーブルに組み立てることなどはこのデザイン概念に含まれる。通常はテーブルとして使用されないような材料でテーブルをつくるような行為も同様、このデザイン概念の範疇になる。忘れ去られたかのような材料、技術、工法等を再評価し、蘇生させることも。

まったく思いもよらないものがテーブルに変身する様は、シュールレアリズムをも感じさせる。このような概念から何か新しいデザインが生み出せないか、現在模索中である。

*すぐれた建築家は、例えば住宅をデザインしたとしても、その住宅が美術館にもなるような包容力をもったデザインをする。こうした計画も"Double life design"と言える。つまり、常に時間を意識したデザインである。

*たとえば、ソファーベッドのようなデザインは、このデザイン概念の範疇にはならない。このような商品は単に2つの機能を重ねたアイディア商品である。"Double life design"は、ある商品形態の状態であるときに2つ以上の意味、機能を同時に表現していなければならない。あたかも対立するような要素が対立したまま統合されている様態と言ったらよいだろうか。
by kurarc | 2014-11-27 23:43 | design