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マーカス・デュ・ソートイ著『シンメトリーの地図帳』

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以前、ヘルマン・ヴァイル著の『シンメトリー』という数学の本を半分程読んで、やめてしまっていたが、このところNHKで放送されている数学者マーカス・デュ・ソートイによる番組で、再びシンメトリーについて取り上げられていたため、本棚からヴァイルの本を再度取り出した。

ヴァイルの本は、建築家の原廣司さんの著書で知った。いわゆる群論の入門書だが、群論がなんたるかまで読み進めることは困難であった。ソートイ氏のおもしろおかしく進められる数学番組(彼は講義の最中、トランペットまで吹いた!)により、その意味が少しだけつかめてきたのは幸運であった。

建築のデザインという行為のある一面を取り上げると、図形を操作する、という作業になる。建築デザインを学習したものは、建築の図形がもつ意味を感覚的に理解するようになる。しかし、それを論理的に理解しようとすると数学の助けを借りなければならない。但し、建築の場合はもっと泥臭い分野であるから、建築の図形は、理論的に決まる場合もあれば、ものからの論理や流行、人間の欲望のようなものに結びつくことも多い。

早速、図書館でソートイ氏の著作『シンメトリーの地図帳』を借りてくる。ヴァイルの本は入門書とはいえ数学書であるから、数学的な素養が必要だが、ソートイ氏の『シンメトリーの地図帳』という著作は、一般向けの教養書といったレベルであり、親しみやすいこともわかった。パラパラとめくってみていると、数学のみならず、自然、建築(アルハンブラ宮殿のタイルなど)、音楽(クセナキスの音楽など)etc.についてふれられていた。この本で群論がどのようなものかその一端を理解することができそうである。テレビ番組も馬鹿にしてはいけないとつくづく思う。
by kurarc | 2014-12-14 22:12 | books