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パリ本

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パリの街が好きで、パリに関する本をよく購入する。ここ数年は、毎年これでもか、という頻度でいろいろな特集が組まれては出版されるから、いい加減にしてくれ、と思わなくもないが、その分、競争が激しいこともあり、本の質も向上し、優れた内容のものも数多い。

最近購入したものは、『パリのパン屋さん』(川村明子著、新潮社)と『パリで出会ったエスニック料理』(にしむらじゅんこ著、木楽舍)である。この二冊からもわかるように、そのほとんどが女性の著者による。通常はパリ住まいであり、かつ大半はパリの大学を卒業しているか、料理学校で学んでいたりする。

この二冊がよいのは、内容が具体的であり、小難しいことを語るのではなく、現地で取材した内容が素直に反映されているところである。

川村氏の本では、たとえば、まえがきに、パリでは雨の日にパンは買わない、と書いてある。その理由はおいしく食べるためだという。雨の日にはパンが湿気を吸い込み、バゲットであれば、パリッとした食感がなくなるからだという。にしむら氏の本では、パリのポルトガル料理屋の紹介まであり、パリのポルトガル人たちの生活までをしっかりとらえて書かれている。

ヨーロッパ文化の理解は、現在こうした日々の日常からとらえられた内容に広がってきたが、これはある意味で真の文化を理解する手がかりとなるものであり、わたしは喜ばしいことだと思っている。哲学のような高尚なことから語られるのではなく、日常から、皮膚感覚から考えていくことこそ哲学的なアプローチなのだと思う。西欧の知の世界から学ぶことはすでに終わった、という文化人もいるが、わたしはむしろ今やっと学べるようになったのだと思っている。
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by kurarc | 2015-01-18 00:26 | books