誰にもいた「アフン」という女性

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映画『恋恋風塵』で、「アワン」という少年の幼なじみの女性「アフン」。この映画が魅力的なのは、どのような男性も「アフン」のような女性がいたのではないかと思わせることである。恋心をいだくまではいかない、女性として意識している訳ではないが、一緒に遊んだり、会話をかわしたり、いつも身近にいる異性である。

そのような関係でいることができるのは、日本では中学生の頃までだろうか?利害関係でつきあうということではない、もちろんお互いにお金も持っている訳ではない、私利私欲というものがまだ頭の中にもない。お互いを尊敬しているような関係ではないが、大切な人であるとかすかに感じている少年と少女。

映画『恋恋風塵』は、こうした人生でほんの一瞬と思えるような時の輝きを映画に定着させたのである。そして、それは誰もが記憶の中にある涼しげな異性との時間でもある。大切な異性との時間は、風とともに散っていってしまう塵のような小さな光であったが、少年にとってそれは大人へと向かう境界の時間であり、大きな成長への第一歩であったことがわかるのである。

*この映画で使われる3種類の中国語(台湾語(バンラム後)、北京語、広東語)がどのように使用されているのかに注意することを田村志津枝さんの映画『恋恋風塵』パンフレットから知る。
by kurarc | 2015-01-27 23:18 | cinema