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ロビンソン・クルーソーからの広がり

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ふとしたことから、『ロビンソン・クルーソー』という古典に興味をもったが、この古典が様々な広がりをもつことに改めて気づかされた。

そのきっかけを与えてくれたのは、冒険家の高橋大輔さんであったが、原作の若い翻訳者、武田将明氏による解説からの示唆にもよる。彼の新訳による『ロビンソン・クルーソー』の解説の中で、そのパースペクティブについて詳説してくれている。

原作者デフォーの生涯も興味深いが、デフォーの他の著作(『ペストの記憶』、『ロクサーナ』など)への興味、また、『ロビンソン・クルーソー』の先駆となる著作『オルノーコ』(アフラ・ベーン著)などへの広がり、また、ポスト・コロニアル文学としての位置づけや、日本における漂流者の記録文学との連関(『江戸時代のロビンソン 七つの漂流譚』(岩尾龍太郎著))など、近代リアリズム文学の一本の糸として、多くの文学者、哲学者に影響を与えた著作であると同時に、多くの変形譚が生み出されたことを知った。

このような古典は子供の頃、簡約版で読まれることが多い。わたしもその簡約版で読んだきりであり、完訳を読んではいなかった。クルーソーは無人島に滞在しているときには、ポルトガル人としてであること、デフォーは続編も著していることなども初めて知った。

『ロビンソン・クルーソー』における無人島を現代におきかえてみると、この小説のおもしろさが益々深まることは間違いないであろう。ロビンソン・クルーソーは同時代人なのである。
by kurarc | 2015-02-22 17:36 | books