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ペダルトーン(pedal tone)

ペダルトーン(pedal tone)は、(特に金管楽器で)第1倍音(基音)をさす言葉である。トランペットでいうと、通常の「ド」のまた1オクターブ下の「ド」の音になるが、ピストンを押し、普通に吹いて鳴らすことができない音であるため、トランペットがペダルトーン(pedal tone)の存在しない楽器と言われることがあるという。

ペダルトーン(pedal tone)を出す練習というものは初学者にとって最もハードルの高い練習と言える。この練習が必要かどうかは賛否両論あるとのことだが、サンドヴァールなどの著名なトランペット奏者が実践していることもあり、現在では標準的なトレーニングの一つに数えられている。

それでは、なぜ、ペダルトーン(pedal tone)を(無理やり)練習する必要があるのか?それは、低音を出せるようになることが、ひいては高音を楽に出すことにつながると言われているからである。それは、言って見れば、空高く飛翔するためには、水中に深くもぐることを知らなくてはならない、と言われていることのようでもあり、あるいは、大木の下には目に見えない巨大な根を下ろしているように、その根になる部分を養うことと言ってもよいかもしれない。

トランペットのように、唇を振動させて音を出す楽器は、その振動数を自由自在に操れなくてはならない。唇は低音から高音に到るまで、様々な振動を連続して行える柔軟な唇にすることが求められる。そのトレーニングとしてペダルトーン(pedal tone)を出す練習がある、という訳である。

こうした考え方は、ある意味で一般化できる考えと言えるかもしれない。人は飛躍するために、目に見えない努力が必要である。それも、ある意味で直接自分の糧になるようなことではなく、時には正反対と思われるようなことを行うことが、ひいては未来の飛躍につながるということもある、ということである。わたしは現在そのような時期を過ごしているのかもしれない。
by kurarc | 2015-03-19 20:49 | trumpet