図書館へ行くなら中央図書館へ

仕事帰りに、久しぶりに杉並区立中央図書館に立ち寄った。荻窪駅南口から6、7分のところにこの図書館はある。設計は、黒川紀章さん。わたしの住まいの周辺では最も蔵書が豊かな図書館である。

カードの更新と注文していた書籍を取りに行ったのだが、この中央図書館をついでに巡りながら、やはり、図書館は中央図書館を利用する方がよいことを改めて感じた。

日常的に利用するには近くの分館が利用しやすいのは確かだが、図書館をぶらぶらと巡りながら知的な刺激を受けるには分館は適さない。常識的な蔵書では借りる気にならない。雑誌を眺めるには分館はよいが、分館は中央図書館の本を受け取るための窓口でよいのである。武蔵野市立中央図書館やこの杉並区立中央図書館くらいのレベルの図書館であれば、かなりマニアックな本にも巡りあうことができるし、中央図書館で働く司書の方々のレベルも高い場合が多い。

今日は『映画音響論 溝口健二映画を聴く』(長門洋平著)とa+u2010年11月臨時増刊『ル・トロネのアルヴァロ・シザ-経路と作品』を借りる。『映画音響論 溝口健二映画を聴く』の方は保存庫にあるので、図書館の中で見つけることはできないが、このような本を在庫している杉並区立中央図書館が近くにあることはありがたい。

*ル・トロネは、南フランスにあるシトー派修道院跡。プロヴェンス三姉妹といわれる修道院の中の一つ。ロマネスク建築がすばらしい。わたしも1984年に訪れた。当時は山の中にある修道院のため、行き方もよくわからず、一日目はたどり着けず、マルセイユに引き返す。2日目にはやむを得ず、タクシーをチャーターしてやっとたどり着いたこともあり、想い出深い建築である。

by kurarc | 2015-04-08 20:50 | books