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『パリの街並みと暮らし 知られざる魅力』マリー・ル・ゴアジウ著

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堅苦しい本ばかり読んでいると、たまに絵本が読みたくなる。専門の建築の分野では、まだあまりよい絵本は多くないが、今回紹介する『パリの街並みと暮らし 知られざる魅力』(マリー・ル・ゴアジウ著、西村書店)は、パリという街がいかに発展し、様々な工夫をこらして街が形づくられてきたのかが、平易な文章とイラストで楽しく読める本である。

たとえば、なぜパリに「ステュディオ」という建築タイプが発生してきたのか、について簡潔に説明してくれる。「ステュディオ」という一人暮らし用の住まいは、パリに大量に労働者が集まり始めた19世紀末に増え続けた建築タイプであったということ。こうした建築はいわば独身用の住居であったが、この本はそれだけではなく、同じ19世紀末、知識人社会において、特に男性が独身という生き方をひとつの選択肢としたという記述も忘れずに付け加えている。

また、台所の章では、台所に面した窓の下に外部に出窓のように突出した通気性のある戸棚が設けられたことが書かれている。こうした工夫について初めて知ったが、この絵本は、かなり建築や都市について詳しく書かれていることもよい。

東京は、パリの街から学ぶべきことが数多くあることがよくわかる。今度パリへ行くことがあったら、こうした細部に目を凝らしてみたい。
by kurarc | 2015-04-13 20:53 | books